フロアポンプ導入

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 今まで使っていたポンプはサブタンクつき圧力計なしの日本製の物、 ホームセンターで1000円前後で購入しました。英式バルブ付きのタイヤになら 特に問題もなく使えていたのですが、仏式バルブのチューブラータイヤに 2週に1回9気圧入れるのがつらい。7気圧前後を9気圧前後に上げるのに 30回ポンピングが必要で、そのうち20回はそのサブタンク内の空気圧を 上げるために費やされ、実際タイヤに入っていくのはその後の10ストローク分だけ。 入れ終わったらサブタンク内の20ストローク分の空気は大気中に放出されて、 しかも圧力計は付いてないので、その後に単体圧力計で不幸にも8.5気圧とかだったら、 また20ストローク+αしなければならない。 サブタンクがなければ10ストローク前後で済む筈なのに…。 これはいくらなんでも労力の無駄です。
 サブタンクのないロード用の高圧ポンプがほしい。 そう思い続けて1年以上ポンプの検討を続けていました。

 ポンプといえばまずSILCAのPISTA、superPISTAですが、 最近土台がプラに改悪されたのとイタリア製であるが故の事 (当たり外れや、頻繁にメンテしないと本調子を維持できない、 細かな仕様変更が度々あるようで、 どのタイプの物が来るのか来てみなければわからない など)、少々の内外価格差などが引っかかっていました。


 SKSのレンコンプレッサー、エアベースは全金属のドイツ製。 非常に高い値段設定なのと大きな内外価格差以外は機能的に問題なし。


 zefal HUSKY951は最近95から951に改良されたようですが、95はレンコンプレッサー とよく似た作りでした。951は土台が少し変わったようですが全金属(ほとんど鉄)max16気圧。 zefalはフランス製ですが元はSKSと同じところで作っているのではないかと。こちらは SKSやSILCAほど評価されていないのか販売価格はまちまち(5000〜1万)で 結構安いところもありました。口金は米式と仏式に対応していますが、 自動判別ではなく昔ながらのアダプター方式というのも好ましく、 フレームポンプのHPXは好印象だったのでフロアポンプも zefalでいこうかと思ったり…、 その後もSILCA、SKS、zefalがぐるぐると候補になっては消えていました。


 車とバイクのタイヤの空気補充に使っていた足踏み式ポンプのゴムホースが 経年劣化で限界が近づいており、 いよいよメーター付きサブタンクなしのポンプの導入の必要に迫られてきまして、 最終的にはzefal HUSKY951 4662円(内外価格差なし)に落ち着きました。 そこは送料が1000円なのでついでにタイヤ(Continental Sprinter)を2本発注しました。
 実際使ってみたのですが、ポンプの高さは70cmほどでフルストロークで12気圧以上は 170cm、55kgの自分にはちょっと苦しい(体が浮く)ですが、 上から勢いよく押し込めばなんとか入っていきます。 ベースは鋳鉄でずしりと重く、立てて置いても非常に安定感があります。 折りたたみ式の足はストッパーがあり、勝手に折りたたまれず、 これも安定感に寄与しているようです。 作りもしっかりしており、底までガツンと押し込んでも壊れそうな不安感はなく、 ニュルリと空気がタイヤ側へ出て行くような底の方の感触が非常に良いです。 7〜8気圧から9気圧まで上げるのに9ストロークぐらいでこの辺は期待通りです。 気圧計の針が1ストロークごとに上がっていくのがわかり、 必要最低限のポンピングで済むので楽です。 これなら外走り毎に調節するのも苦になりませんね。
 ホースは長めで120cmほどあり、上の写真より明らかに長いです。 適度にやわらかく特に問題はありません。 ハンドルにかけてホースを挟む所に固定するようになっています。
 圧力計は16気圧、240psiまで目盛りがあります。 置き針もあり、目的の圧より少し高めに入れて単体圧力計で最終調節 するので見難いということはないと思います。
 口金は米式で、上の写真では黒いですが、 レンコンプレッサーに付いているのに良く似ている銀色の物が付いてきました。 表面処理の違いだけで、作りは同じ物のように見えます。 付属のアダプターで仏式になりますが、これがダメですね。 米式はレバーでロックするようになっているのに仏式は挿すだけ。 一応パッキンは円錐の一部を切り取った形になっており、 圧がパッキンの外側にかかることでバルブに密着させようという 考えのようですが、実際には高圧で抜けてきます。 また深く刺しても仏式バルブを開放する構造になっていません。 zefalのフレームポンプのhpxはレバー固定で、 セットすると仏式バルブを開放する構造なのに。 あのヘッドをそのまま付けといてくれればいいのに…。 米式での利便性を考えると パッキンゴムをいちいち取り出してひっくり返すのは却下という事で、 今のような構造にならざるを得ないのでしょうかねー。

 ヒラメに付け替えれば簡単なのですが高価だし、なんか負けたような気がするので、 オリジナルの口金を利用する方法を考えました。 アダプターが抜けないように固定する方法ですが、 再利用可能なタイラップをアダプターに付けまして、タイヤ側に回して締めて固定し 高圧で抜けないようにしました。 そのままだと刺し込み難いのでゴムにアーマーオイルを塗りまして、 楽に最深部まで刺せるようにしています。
 口金セット時のバルブの開放は、 空気を入れる前に圧力計で測ることでバルブの張り付きを 解消すれば必ずしも必要ないようですが、 やるとすれば パナソニックのアダプターの時と同じように、 使い終わったボールペンの芯を 適当な長さに切りまして、アダプターの中に仕込み、 深く刺した時に仏式バルブの頭を押すようにすればいいかと。
 ただこれをするとタイラップを回す時にバルブが抜けて来てセットし難いので してません。
 フロアポンプ導入にあたってSILCAなどを買われた方のレポートを多数見たのですが、 多くの方が付属の口金を使わずにひらめに交換しているようです。 しかしもうちょっと使う工夫をしてみても良いのでは? 再利用可能なタイラップは15本入りで101円でした。

 ヒラメなどに付け替えるのは口金のパッキンがだめになったときかもしれませんが、 そのころまでにはもっと安くて更に良い製品が出ていることを願っています。

 その後アダプター内にボールペンの芯を仕込んだりしてみたのですが、 タイヤ内の空気がほとんど抜けたりしてあまりうまくいかず、 バルブを押すための棒を口金に直接着けようかとばらしてみたのですが、 なんか見たことがある部品が出てきまして、ピンときました。
 画像の丸いゴムの一方には米式バルブサイズの穴が開いており、 他方にはなんと仏式バルブサイズの穴が開いています。 よってこの部品を反転させ、 その奥のプラ部品もひっくり返すとフレンチバルブ対応になるじゃないですか。 これははじめっからそういう設計になってますねー。 自分の望んでいたとおりのフレームポンプHPXと同じ構造… なんでそんな良い事を書いとかないかなー>zefal。 この口金なら深く差し込むとバルブが開放され、レバーでロックも出来る。 この仕様で実際入れてみましたが完璧ですよ。
 ヒラメ必要なし\(^O^)/。

 某掲示板で、フレンチバルブに空気を入れる時、口金をバルブが開放されるまで 深く刺すか否かという議論がなされていました。 その場では開放しない派が主流のようでした。
 自分は自転車で英式(したくても口金で開放できない)、 バイク、車で米式(基本的に口金で開放)を扱ってきた関係上、 空気を入れる時は口金でバルブを開放した方が軽く確実に入れられるということを 経験上知っていたので、口金で開放できるなら開放した方が良いと思っています。
メリットは、
 同じ圧まで入れるならより軽く入れられるし、  押せる限界まで入れるならより高圧に入れられる。
 ポンプのエアゲージがタイヤ内の圧力を正確に反映する。
 バルブの張り付きを気にしないでよい。

 開放しない派の理由はバルブの小ネジを折る事があるから、 口金を外すときエアが少し漏れるというものでした。
 自分はロードを購入して2年弱で、 既に100回近くはタイヤに空気を入れてきたと思いますが、 一度も小ネジを曲げたり折ったりした事はありません。 ホースのないフレームポンプならそういうこともあるかもしれません (これはこれで折らない入れ方がある)が、 柔らかいホースを介しているしポンプは地面に押し当てるので、フロアポンプで 小ネジを折るというのは考えられないのですが。
 口金で浅くバルブをくわえるとバルブに対して口金が動きやすく、 小ネジが口金の穴の側面に押し当てられやすくなり、 かえって小ネジを折る事になるのではないかと思います。 対して深くくわえればバルブと口金が一体化し、少々押したとしても 小ネジが口金の穴の側面に押し当てられ難くなるし、 そもそも小ネジの細く弱い部分がバルブ内に押し込まれているので、 その状態で小ネジを折るのは非常に困難です。
 また開放しない派でも空気圧を測る時は エアゲージの口金でバルブを開放しているのですヨ。折れますか?
 エアの漏れのほうは、 口金を外すときロックをためらわずに解除し、すばやく引き抜けばいいのです。 まずバルブが閉じるので、外すとき出てくる空気 のほとんどはポンプのホースにあった高圧な空気で、タイヤ内からはほとんど 出てきません。エアゲージを使用しても少し空気が出るのです。それを嫌ったら 空気圧が測れません。

 かつて自転車のブレーキは後ろを強くかけるという事が 当たり前のように言われていました。 前を強くかけると前転するし、ロックさせると転倒して危険だが、 後ろをロックさせてもコントロールできるからというのが理由でした。 多くの初心者がそれを信じ、後輪をロックさせて車に突っ込んでいった事でしょう。
 しかしそのはるか昔からモーターサイクルの世界ではブレーキは 現在のブレーキディスクのサイズを見ても明らかなように 前輪が主で後輪は補助調節的な物でした。 前輪がロックしたりジャックナイフしたらブレーキを緩めればいいだけなのです。 それが出来るように練習すべきなのです。 昔まだ後ブレーキ主説が当たり前だった頃、 このモーターサイクルの事を友人から聞かされ、 実際にFブレーキのみを強くかけるとRブレーキのみを強く使った時より 短距離で止まれる事を確認し納得させられました。 おかげで車に突っ込まないで済んでいます。

 またかつて自転車のペダリングはかかとから踏み下ろしかかとから引き上げる ように回す、いわゆるアンクリングが当然のように言われていました。 しかし実際には足関節から上の移動量が増え、効率の悪いペダリングで、 今では足首は固定したペダリングのほうがよい事がわかっています。 実際アンクリングは不自然な動きを強要し、意識してしないとなかなか出来ないもの でしたので自分は普段してません、いや出来ませんでした。激坂を登る時に ちょっとしてみたりというのはありましたが…。

 さらに自転車界では軽いホイールはヒルクライムで有利、 重いホイールは平地巡航で有利という話を聞いた事があろうかと思います。
 モーターサイクルの世界では必要強度が確保されている限り 軽い方が選ばれ(鉄→アルミ→マグ→カーボンと素材が変遷)、軽い物ほど高価だし、 アップダウンの少ないサーキットでは重いホイールが有利とか話しにも出ない。 まったくお話しにならないです。
 また重いホイールを軽くするのは難しいけど 軽いホイールを重くするのは簡単なわけで、 バランスが崩れないように釣用の重りをリム周りにつけてみればいい。 それで実走してタイムを測ればどちらがいいか答えは容易に出ます。

 仏式バルブを口金で開放するか否か、 統一見解に至るにはもう少し時間がかかるのかもしれません。

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