ホイール組み

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 歩道と車道の段差で後輪の持ち上げに失敗し、ホイールを強打してしまいました。 バコーンという感じで当たり、帰宅後調べてみると結構な縦振れが(T_T)。 即走行不能という事はありませんがかなりのロスになるでしょう。 予備のホイールなどは所有しておらず、 毎日使っているためあまり大掛かりな修復も出来なかったので、 振れ取りとタイヤとリムの間にスペーサを入れ(チューブラならではですが)、 リムは縦ぶれしているがタイヤはそこまで振れてないという状態で使ってました。 という事で予備のホイールが必要になりました。

 ちょうど年末にタキザワのセールがあるのでその時に部品を調達し、 いつかはやらねばならないであろうホイールの手組みを試みるべく 情報収集していました。

 手始めに失敗してもダメージがないようにリムは安価でリフレックスより重くて 丈夫な物ということで Ambrosio Montreal 410g (タキザワ3700円)と KINLIN TB-25 440g (タキザワ2900円) を候補として探し出しましたが、TB-25は色が黒なのはまだしも、ディープリムなので クロモリロードには合わないと思い、Montreal 32Hを2本取り寄せました。 実測417g、419gと(重い方を後輪に使います)なかなか優秀で、 もっとひどいのかと思っていましたが仕上げや継ぎ目の処理も綺麗な物でした。 これで3700円の10%引きはお買い得ですね。持った感じはリフレックスほどは軽くない ですが、その分丈夫なのだろうと思います。材質もリフレックスほど硬くないですが、 その分粘ってくれると思います。

 スポークは星と比べてみたいのでDT チャンピオン 1.8mm ストレート シルバー。 DTは首の曲げが浅いので内→外スポークの首をさらに曲げたほうがいいという 説もあるようですが自然になじむという説もあります。 スポーク長はDTのspocalcでF299.3、R298.5と296.8。タキザワのHPでは301と299。 間を取ってFとRの反フリー側300、フリー側298としました。 ニップルは付属のブラス。 ニップル回しもDTの安いほうを買いました。

 ハブはスモールパーツの使い回しが出来るように 6600アルテグラにしようと思ったのですが、 主な通販ショップは軒並みメーカー在庫切れで入荷も未定との返事でした。 シマノが欠品するとは思ってもいなかったので非常に困りましたが、 方々探し回り送料込みでサナとアスキーの間ぐらいの所を ようやく見つけハブを確保しました。
 そこはリフレックスが旧価格の1割引で売られていたり、 VETTAの少し前のサドルが7割引だったり、 その他お買い得品がいくつもあって散財してしまいましたが、 いい買い物が出来ました。 また、クロモリフレームも作っており、 予備のフレームはそちらにお願いしようかと考えています。 TOEIがカイセイ022なので019か丹下No1で作れば素材の違いを楽しめますね。 まあその辺は体重が50kgを切ったら発注ということにしておきたいと思います。
 振れ取り台は昨年のセールでタキザワから購入していた安い物、 センターゲージも昨年ミノウラの安い物を購入済でした。

 組み方は6本組みで逆イタリアンとかJISとか逆JISとか、 イタリアン以外の組み方を試そうかとも思ったのですが、 方々見て回った所、強度的に後フリー側はイタリアンがベストであろうと思われました。 その代わり切れるのはフリー側らしい(なんとなくわかる)。 逆イタリアンはフリー側は切れ難いけど反フリー側が緩みやすい (経験的に。原理は不明)という記述も見ました。 反フリー側は最も張力が低い所で組み方はなんでもいいようなのですが、 スポーク長の種類が増えるのは補修時に困るので(フリー側+2mm)=(Fのスポーク長) の6本組みとし、フリー側に合わせてイタリアンで。 前は後ろほど荷重はかからずブレーキ中も回転しており特にどちらの スポークに負荷がかかることもなく、なんでもいいらしいので後ろに合わせて イタリアン。結局今のホイールと同じ組み方でいくことになりました。

 組むときの作法として、
  リムのロゴは車体右側から見て正位置。
  ハブのロゴはリムのバルブ穴に向ける。
  バルブ穴でスポークがクロスしない。
 というのがあるそうです。完成品を参考にリムとハブのロゴ、バルブ穴に注意して スポークの最初の1組みの位置決めをすればあとは自動的に決まります。

 組んだ後の馴染ませ方には諸説ありますが、 ショップで組んでもらう場合は始めから十分に馴染ませてニップルのネジも固めて 振れ難いホイールにするべきかと思います。
 自分で組む場合は乗る度に調節してもいいし、メンテサイクルを短く出来るので 最初から振れにくいホイールにする必要はなく、振れを調節しやすいホイールにして、 最終的に振れにくいホイールになれば良い。 スポークを踏むという馴染ませ方もあるようですが、 乗ることによって加わる負荷は乗ることによって負荷するのが 必要十分で自然なのではないかという事で馴染ませと振れ取りは最初からあまり追い込まず、 ローラー台で使用しつつ馴染ませていく事としました。
 というわけでメンテサイクルを短くする事からニップルのネジ部分と、 ニップルとハトメとの接触部分にはオイルを塗ることにしました。 ネジには何も付けないとか専用の物(スポークプレップ)を付けるという説もあります。 最終的に振れなくなったら脱脂して固めるか、でもその頃にはオイルは流れて 固着しているかも?

 方針が決まった所で、とりあえず簡単なフロントから組みました。 リムの繋ぎ目で若干縦振れがありますが、 そこはそのままにしてスポークのテンションでその振れを取る事はしませんでした。 タイヤの精度はもっと悪いですしテンションを均一にする方が重要のようです。 ホイールの形にするのと振れ取りは問題ないのですが、 スポークテンションをどの程度にすればいいのか見当がつかず、 フロントが硬いとハンドルへの振動がきついので、 最初は若干緩目にして問題があれば上げていくという事で切り上げました。 2時間かかりました。クイック込みで844g。なかなか丈夫そうです。

 リアは仮組み後フリー側のみテンションをある程度上げていき、 反フリー側を張ってセンターを出す予定だったのですが、 あともう少しという所でちょいと反フリー側を張ったらセンターを通り越してしまい、 フリー側をさらに張る必要に迫られました。テンションはスポークを指ではじいて 音で判断し、 リアが緩いとパワーロスにつながるので リフレックスとほぼ同じかやや強目にしました。こちらのリムは繋ぎ目で の振れはほとんどありませんでした。完成重量は測り忘れました。

 リムの精度はまずまずよいと思いました。値段を考えれば優秀です。 スポーク長はネジ山部分はすべてニップル内に収まっており、 ニップルからタイヤ側にも飛び出ていないので丁度よいと思われます。
 DTのニップルは丈夫で、飛んだり形が崩れたりという事はありませんでしたが ネジ精度が悪いものが64個中2つありました。
 スポークも特に問題なく首の部分を曲げ直す必要も感じませんでした。 DTの赤いプラ(ニップルを咥える部分のみ金属)のニップル回しは ニップルをナメることなく非常に食い付きがよい半面、 ニップルから外し難いという事がありました。

 タイヤはとりあえずFゴミタリアチャンピオンの使い古し、 Rビットリアラリー新品を貼り、ローラー台に乗ってみましたが、 ニップルとハトメの接触部分にオイルをつけたせいか 乗り始めのピンピンというスポークのねじれが戻る音が全くしませんでした。 縦ぶれの出ていたリフレックスでのゴツゴツした感じがかなり減りましたし、 尻も痛くなり難いです。 ケイデンス130ぐらいでもRホイールは落ち着いています。 タイヤとリムのせいで重く感じるのですがスムーズによく回り、 いいトレーニングになります。 我ながら初めてにしてはうまく組めたのではないかと。

 あらためてこの正常な乗り心地を体験すると、 やはりリフレックスはリム交換した方がよいとの結論に達しました。

 いつも上っている峠をモントリオールホイールで上ってみましたが、 乗り心地はソフトな印象でした。F緩目が効いているのかも。 タイムはリフレックスのときの数秒落ちぐらいでほとんど変わらず、 その時の体調や風向きなどのコンディションによる影響のほうが はるかに大きいようです。
 モントリオールでの実走時、Rホイールからピンピンと音がしており、 走行後初期振れが出ていましたので後日取りました。

 リフレックスホイールは Fは振れもほとんどないのでベアリングのグリス交換のみ、 Rは、ハブはグリス交換で再利用、 スポークは星#15プレーン300mmと298mmを新品で、 ニップルは星#15ブラス新品 リムはリフレックス新品を使う事にしました。 週明けに部品発注します。

 リフレックス組みました。まずハブのグリスアップですが、 古いグリスは汚れてはいますがたっぷり残っていました。 玉、玉押し、玉受けは特に問題なく、 綺麗にふき取って デュラグリスをたっぷり詰めました。 グリスが硬いので玉当たり調節が難しいのですが、 弛目よりは固目のほうがいいらしいのでそうしました。

 Rホイールはばらしたのですが、 スポークは組んでいる状態では干渉し合って直線ではないのですが、 ばらすと元通り直線状態になるんですねー、初めて知りました。 反フリー側のスポークはダメージもなく 再利用できそうでしたが新しいスポークがすでに届いているので新しい物を使いました。 フリー側はフリーとスポークの間にチェーンを落とした時にスポークにダメージがあり、 組まれた状態の時はそうでもなかったのですが、 ばらすと結構曲がっており再使用しようという気にはなりませんでした。
 ダメージを受けたリムの直径は一番小さいところで630mmで 他の部分は633mmなので 3mmほど凹んでいる事が判明しました。 スポーク調節とスペーサで1mmぐらいまでにはしていたのですが、 完全には触れが取り切れないわけです。 押し出して使えるようになるかもしれませんが、 じっくり修正する時間もないので修正の方法は今後検討するとして、 今回はリム交換しました。3本買ったうちの1本で372gでした。

 まずフリー側のニップルを工具は使わず指で均等に締めていき、 手で締められなくなった所で振れ取り台に乗せます。 反フリー側はユルユル状態で、大きな横ブレが出ていますが、 これは手で押したり引いたりして修正すればなくなっていきます。 この時の縦横の振れはおそらくリムの精度に依存するのだと思います。 今回使用したリフレックスは左右はほとんど振れていませんが、継ぎ目は少し凹でした。 工具を使って少しずつ合計1.5回転ほどニップルを締めた所で 反フリー側を均等に手で締められなくなるまで締めていきます。 リムはまだフリー側に寄っています。
 その後工具を使って少しずつ反フリー側を締めていき センターを見ながら反フリー側を締めて振れを取っていきました。 しかしあと中心まで1mmぐらいの所でリムが 真ん中から大きく反フリー側に移動してしまい、 最終的にフリー側を全体的に締めてセンターを出しました。 この現象はモントリオールでも見られたのですが、 フリー側がまだ緩かったという事でしょうかね? 縦振れはそのまま継ぎ目にありますが、横振れはほとんど無い様に組めました。

 よく聞く話ですが、MAVICは非常に振れ取りのしやすい精度の高いリムですね。 あとパークツールのニップル回しも精度が高くてニップルを痛めないのに ニップルからすんなり外れてくれて使い易くすばらしい物でした。 星のニップルとスポークのネジは精度が高く、32本すべて問題ありませんでした。 スポークの長さは若干長すぎで、Rに限れば299mmと297mmでぴったりだと思います。 モントリオールもリフレックスもタキザワのお勧め長マイナス1mmで 丁度いいという事のようです。

 F1本R2本作業してみて、また自分で組むかと問われれば、 自分の為のホイールなら丁寧に完璧(?)に組もうと思いますが、 時間がかかるし神経使うので人のホイールまで組もうとは思えません。

 後はタイヤを貼るだけなのですが。臭うので外でやりたいのですが 天気が悪くてなかなか作業が出来ません。
 やっとタイヤを貼れたので、リフレックスで1.5hほど実走してみましたが ピンピン音はせず、初期振れも出ていませんでした。うまく組めたようです。

 だめもとで歪んだリムを修正してみました。 叩き出すという手法が一般的なようですが、 叩かれたニップル出口面側が凹むので、 押すように修正する方法をあれこれ考えて実際やったのが左の絵です。 昔リムが凹んだロードを見たことがありまして、 どう乗ったらニップル側が凹むのか当時はわからなかったのですが、 あれは修正するために叩いた跡だったんですね。 リムとジャッキの接触面には竹片を挟んであります。 竹の曲面とリムの曲面がいい感じで当たるようで、リムは凹みませんでした。 リムって結構硬いんですね。これを歪ませるなんて、 どれだけダメージを受けたのやら…。 紐をかけたところがちょっと内側に入ったかもしれませんが、 ±1mmぐらいにはなったようで、これならスポークで修正できそうです。 フロントの予備ぐらいにはなるでしょうか。


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