チューブラータイヤパンク修理

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コンチネンタル スプリンター パンク修理

 いつもの峠を登っていてゴールまであと1kmというところで 前輪からパーン、それに続いてシューッという音がしまして、 バーストでした。登っている途中で前輪のサイドに 何かゴミのような物が付いてるのが見えたのですが、 今にして思えばあれば飛び出たチューブだったようですね。 タイムを計っているのでそこで止まらなかったのが運の尽きです。 下りじゃなかったのは不幸中の幸いでした。
 予備のタイヤも携帯電話も持ってきてなかったので引き返しました。 道のいいところでは乗ってゆっくり下り、悪い所は歩いて7kmを1時間弱で帰宅しました。 原因はサイドカットで、石をはじいたのでしょう。 トレッドにもそれを思わせる傷が付いていました。 チューブラーでのパンクは初めてです。

 予備のホイールと交換して修理を試みました。 フラップを剥がして糸を切ると、タイヤを横向きに置いて見て 縫い目の横糸を上、輪を下に位置した状態で糸を引くと右方向へほどけます。 反対方向にはほどけて行きませんのでほぐしていきました。 チューブが裂けたかと思ったのですが、パンク穴は5mmほどで何とかパッチで塞げそうです。
 穴はゴム糊を塗って少し乾かしてからパッチを圧着し、 切れたサイドウォールにもパッチを張って、 糸は元の針穴を利用し、 縫い方は何か理由があるものと思われるので 元通りの縫い方で縫いました。
 糸は手持ちで一番太いのは#30/3か、たこ糸の20/12しかなかったのですが、 元の糸は#30/3よりは太く、タコ糸よりは細い3本よりです。 タコ糸は3本よりなのですが、そのよりをほぐした1本がほぼ同じ太さなので#20/4? ライターであぶると溶けるので綿、麻ではないようです。ポリエステル? 今度町へ行ったときに裁縫道具屋で探しておかないと。 後日探した所、ポリエステルの20/3は裁縫箱の中にありましたが、 これよりも太いです。やはり16/3か?。 ただ手触りがポリエステルではないような…。ナイロン?

 引っ張ってもほどけない側からの縫い方はわかったのですが、 作業中はイラついていて (こういう時に作業すべきではないです)頭が回らず、 引っ張ってほどける側からの縫い方が解りませんでした。 あとで冷静になってよく考えるとどちらからでも縫えるのですが。 しかしいずれにしても糸は足さねばなりません。 この縫い方はおそらく糸に均等に張力がかかり 高圧に有利なのと縫い目を締めやすいのだと思います。 元の糸と足した糸との結び方はもやい結びのコブの所と同じ結び方なのですが、 なんという結び方だったか…検索した所「二重つぎ」です。 クッと引っ張れば何とか針穴を結び目が通ります。 一度引っかかって無理に引っ張った時に切れたのですが、縫い目はほどけなかったので 強度は十分と思われます。 使用した針はフランス刺繍の針?太くて糸通しの穴も大きな物。 ロックの端糸を縫い目の下に通して処理する時に使う物(100円ショップにある)です。 1つの針穴に2回針を通すのですが、先に通っていた糸を貫くのを防ぐために 針先は丸めておいた方がいいです。

 フラップはたいてい伸びているのですが、 リムセメントを塗って、密着する所まで反対側へ丸めれば綺麗に収まります。 ホイールにセットして10気圧ぐらい入れてみたのですが、 切れた所からサイドに貼り付けたパッチが 膨らんで出てきています。これでは危険なので表から5針縫いまして、 ようやく10気圧入れられるようになりました。 見た感じトレッドの歪もないようです。 さらに一応液体ゴムを塗って固めておきました。 一晩放置したのですがエア漏れはないようです。
 これでいつも通り9.6気圧入れてローラーに乗ってみましたが、 特に抵抗や振動が増えたとかは感じないです。 いつも通り46分乗って観察しましたが、修理部分は 特に変化ないようです。主にローラー用で外を走る時は 予備タイヤを持って出れば問題なさそうです。



ゴミタリアチャンピオン

 手元にトレッド部分が高圧で歪むようになったゴミタリアチャンピオン があるのですが、ついでにこちらも修理してみました。 タイヤの合わせ部分の縫い方は両者とも同じでした。 やはりこの縫い方には意味があるようです。 開いてみた所、特にカーカスが切れたりはしていませんが 白い綿繊維の奥に黒い繊維があるようですが、それとの密着が剥がれて そこにチューブがめり込んでトレッドが歪んでいると考えられまして、 歪む部分の繊維がばらけ気味のようなので、ここを補強すべく 不織布接着芯(アイロンでつけるアップリケのような物)を使用してみました。 加熱するのでチューブは可能な限り引きずり出して反転させ遠ざけ、トレッドには 下から濡れタオルをあてがって熱が入らないよう気をつけました。

 スプリンターは化繊カーカスで内外ともゴムで覆われていたので 接着芯は使えなかったのですが、チャンピオンは内側が綿繊維剥き出し ですね。今にして思えばスプリンターは切れた所をミシンでジグザグに縫って 補強すればスマートだったかもしれません。

 こちらはなるべく元の糸を使って縫い合わせました。ほどけない側からは例の太い針で、 ほどける側からはミシンの針を使用するのが都合がいいようです。 無論チューブを刺さないように。
 ピンバイスのグリップでミシン針を保持すると縫いやすいかもしれません。 この時はピンバイスは持ってませんでしたが、NOVAの真鍮ネジの穴開けにも使えそう。 ミシン針の保持部分は直径1.6mm なのでコレット差し換えの0.1-3.2対応の物 がベストでしょう。探したら660+160でピンバイスにドリル刃1.5、2.0、2.5が 付いているミネシマのL-5C(定価1680)を見つけたのでポチりました。

 ←これの代用にするわけです。
 フラップを着けて8気圧超まで入れてみたのですが、 こちらは歪みが完全に取れたとはいい難いです。 失敗orz。やはり予備にしかならない。 この作業により多少この部分のバーストに対する安心感があるかもしれませんし、 修理の練習にはなりましたが、無駄でした。

 教訓:トレッドが歪んだタイヤの修理は困難。

 タイヤの縫い目ですが、合わせ部分を2つ折りすると何処かで見た事がある縫い目 である事に気付きまして、ロックミシンの端かがりその物ですね。 ただし1本針1本糸という少し特殊な縫い方。2本針4本糸のミシンなら持っているのですが。
この縫い方は 単環縫い という物と基本的には同じようですが、チューブラの場合はロックっぽく縁をかがらなければ ならないのでちょっと糸の動きが違います。 その為のミシンが多分 1本針単糸環縫しつけミシン これも縁ががり用ではないようです。とても買えませんが。 一本糸のメリットは連続で縫えるという事なのですが、 この縫い方を採用しているのはそういう経済的理由なのでしょうか?

 VELOX ベロックス チューブラー用パッチセットは買うまでもないですが、 参考までにどういう糸がセットされているのか見てみたいかも。

 糸を捜しに行って来ました。意外な所にいいものがありまして、 ホームセンター(グッデイ)の木工道具の墨坪糸、坪糸のコーナーに 絹や綿に混ざってナイロン糸がありました。スプリンターの糸見本を持っていっていたのですが、 太さは0.35、0.45、0.55がありまして、しばし悩んで0.45を買ってきました。 中の糸を直接比べてみるとまったく同じ太さに見える所もあれば、 買って来た方が若干太い所もあるような?
 しかしスプリンターの糸は高圧で長期使用した物なので、 痩せていても不思議ではないのですが。 あとでネットで調べてみると0.40などもあるようです。太さは難しいですね。 縒りの方向が違いますが、色艶、触った感じはまさにそのものです。 まあ330円ぐらいだし、どこかで見かけたら0.40も買ってみましょう。

 後日坪糸を買ったグッデイに行ったら0.4も置いてありました。 見本は持ってなかったのですが、0.4だとやや細いかもしれません。 0.45で支障なかったし、太い方が丈夫なわけで0.45でいいのではないでしょうか。 もっと丈夫なのをご希望な方はアラミド+ナイロン(0.55mm)という物もあるようです。

←交差部分のアップは、手前のピンク色が坪糸で奥の白がスプリンターの物。

 ローラーでパンク修理後のスプリンターを使っていたのですが、 タンタンというタイヤの回転に同期した異音に気付きました。 極低速では消えますが、ある程度スピードが出ると聞こえてきて、 さらにスピードを上げるとタン音が飛ぶ事もあります。 原因は最近修理したタイヤが一番可能性が高いので、 ホイールごと換えてみた所、音が消えましてタイヤに間違いなかろうかと。 修理個所は見た目は膨らんだりしてないし、触った感じも他の部分と同様なのですが、 ある程度のスピードでホイールを回して手を当ててみると修理部分に違和感を感じます。 縫い目が緩かったのか、パッチのせいか、縫合と裏当てでサイドが固くなったせいか。 もっと繊細な作業が要求されるようです。

大きな穴が開いています。周囲を均し終わったところ  ノイズはあるがとりあえず使えていた修理後のスプリンターですが、 11日目に空気が抜けていました。再度開けてみたところ、 チューブにある線状の隆起に沿ってパッチが剥がれていました。 若干渇き気味のゴム糊を使ったからか、パッチが穴に対して小さかったからか、 チューブ表面の線状の隆起を完全に削らなかったからか。
 そこでマルニの缶入りのゴム糊と直径26mmのパッチを新たに購入し、 チューブにある線状の隆起はサンドペーパーで均して再び修理しました。 切れたタイヤサイドは内側に貼ったパッチと縫い合わせた糸を取り除き、 ピンバイスで咥えたミシン針を使ってきつめに縫合わせました。

ピンバイスは期待通りの働きでした  タイヤの縫い合わせはナイロンの坪糸を使い、 まず緩めに元あった針穴に糸を通してしまいます。 端から順番に締め上げていって 縫い初めも縫い終わりも元あった糸に直接結ぶようにしてみました。 結び目が針穴を通ることはないので今回は普通の固結びで、 結び目は瞬間接着剤で固めました。 なるべく元の状態に近くなるようにしてみたわけですが、 これでダメなら諦めもつきますので。
 ナイロン坪糸は非常に丈夫で、合わせ目をガチガチに固めることができました。 フラップも戻して念のためタイヤの回転方向を変えてリムにセットし、 ローラーに乗ってみましたが、タンタン音は消えました。 しかし46分乗ってから修理箇所を見ると 縫い合わせたサイド部分からまたチューブが覗いていました。 なかなか手強い。内側のパッチを取って直接縫ったためでしょう。 外から大きめに3針追加縫合しまして、今のところ一応収まっています。

 今回タンタンという音が消えた事から、 あの音はタイヤサイドに張ったパッチにより サイドの柔軟さが失われ、硬くなった部分でローラーを叩いていた 事によるものと思われます。

 手間はかかりましたがチューブラータイヤ修理の勘所がわかりました。 サイドカットの場合裏から当て物をするなら薄い物じゃないとノイズが出る。 当てない場合は広範囲に入念に縫い合わせる。 タイヤの縫い合わせは元あった針穴を使わないと歪む可能性がある。 元の針穴を使うなら指貫は不要。 縫い目は元通りの縫い方が無難。 ほどけていく側から縫う場合はミシン針が便利、 ほどけない側からは普通の縫い針じゃないと無理。 糸の張力が均一になるようにするために 途中で結んで止めないで、新旧の糸を直線的に結ぶ。 トレッドが歪んでいるタイヤには今の所手を出せない。 日帰りで交換するタイヤがあるならパンク修理は不要ですが、 泊まりで移動するなら予備2本持ったとしても宿泊地で修理せざるを得ないでしょう。

必要な道具
カッターナイフ 糸を切る
ゴム糊 缶入りか、チューブ入りなら未使用未開封を。
パッチ チューブの直径以上に大きいほうが安全。ある程度薄ければ、大きい事によるデメリットはない。
糸 坪糸ナイロンφ0.4〜0.45
針 先は丸める。ミシン#16(or 14)、太目縫い針、曲針(サイドを外から縫う)。ピンバイスがあると便利。
ピンセット 短い糸を結ぶのに必要。
リムセメント(or ボンドG17) フラップの貼り付けに
瞬間接着剤 結び目の固定
結構物要りですね。

 再修理後11日が経過しました。修理タイヤは前輪に使用中です。 修理後6日目に測定した時はF9.6 R9.6が6日間でF8.5 R8.5に減っていました(F1.1減 R1.1減)。
修理後11日目に測定した時はF9.7 R9.7が5日間でF8.7 R9.0に減っていました(F1.0減 R0.7減)。
11日目に修理したタイヤで減りが早いようにも思えますが、 これはむしろ修理してないRタイヤの減りが遅いようです。 修理したFタイヤは今の所問題ないと考えていいようです。

 修理後23日経過しました。空気圧は9日間でF9.6 R9.6→F8.1 R8.3でほぼ問題なし。 今日7月12日に修理後初の実走でパンクした峠へ行ってきましたが、 特に違和感やノイズなどはなく、修理部分も変化なく無事完走して帰ってきました。 パンク後どのぐらいの期間無事ならその後も大丈夫と考えていいのか 今のところ経験不足でなんともいえません。

 2008年6月20日に再修理していたスプリンターなのですが、 2009年1月9日に触ってもいないのに突然プシューという音と共に空気が抜けました。 ばらした所、以前貼ったパッチに極小さな穴が開いていました。 穴の原因は切れたタイヤサイドを縫い合わせた糸の結び目でした。 結び目を瞬間接着剤で固めていたので硬化して徐々に刺さっていったようでした。 見た目を意識して結び目をチューブ側にしたのが敗因です。 パッチには縫った糸が押し当てられた跡も付いており、 高圧のチューブへのストレスは想像を絶するものがあります。

ピンバイスは期待通りの働きでした  再々度修理に取り掛かりました。 チューブの穴は古いパッチを剥がして新しいのを貼るという手もあったのですが、 古いパッチはチューブと同化する様にガッチリ付いていたのと チューブの補強にもなるので古いパッチの上に新しいパッチを貼りました。 ローラーで音が出るかもしれませんが、耐久性重視という事で音には目をつぶります。
 タイヤサイドは結び目を作らなくていいのでミシンを使用し、 細目の糸で細かめ広範囲に縫い合わせ、 さらに液体ゴムで内外側とも補強しました。
 タイヤの縫い合わせは前回と同じように壷糸を使用。 縫ってあったのと同じ縫い目で縫合し、 フラップを貼ってからタイヤに貼りました。 この辺の作業は手馴れてきました。 10気圧入れて一晩放置しましたが、 今の所空気は抜けてないし、ミシンで縫ったタイヤサイドも大丈夫なようです。

 まだまだチューブラタイヤ修理の経験が不足していますね。

 パンクしたらまた修理するかと問われれば、 自分の物なら安物でも修理しますが、 人のは責任持てないので出来ませんね。←これを肝に銘じなければ

 2010年6月28日 再々修理したスプリンターはその後1年半経過しましたが、 問題なく使えています。 サイドはちょっと膨らんでますがチューブは納まってます。 次にやる時は下糸でサイドの裂け目を寄せてからミシンで本縫いするといいかも。 ほとんどローラー台で使うのでトレッドが減らないんですよね。
 なんて事を書かなければ良かったですね。
翌日マーフィーが来まして、エア抜けてました。 ミシン糸が一部切れて開いて、 そこからはみ出たパッチに再び小穴が開いたようです。 つまり切れたサイドの寄せが甘い。 このタイヤの常用は諦めて先日海外通販で購入したコンチコンペに張り替えました。 が、予備に回し天寿を全うさせるべく、のんびりと修理に着手しました。
 壷糸で縫ったタイヤの縫い目は完璧に締まっておりここは全く問題ありません。
サイドカットした部分をこれでもかと寄せる縫い方を検討中。
不織布の内当ても追加。
パッチは厚目の物を使用。
トレッドからの刺し傷なら、なんてことはないのでしょうが。 サイドカットは手強い。

 外側の縫い方ですが、今までの反省から裂け目を少し縮めるように合わせて、 内圧がかかるとちょうど平面になるのを目指しました。 内側に極力糸が出ない通し方を検討し、 靴紐を通すような感じになってますが、ちょっと違います。 裂け目を内側に押し込むようにきつめに締めました。結び目は外。 空気を入れた時にうまい事バランスしてくれればいいのですが、 これがタイヤを縫い合わせてからでないと分からないのがチューブラの辛い所。 クリンチャーなら膨らんだら外して修正が簡単。
 パッチは厚目のゴム板状で切り出して使うやつ、糊は新鮮な物。
 タイヤとチューブの間に、ほぼ伸びない丈夫な不織布の接着芯を挟みました。
 縫い合わせは元の縫い方で、以前追加した壷糸にセコく継ぎ足し。 この通し方はもう覚えましたね。
 リムに載せて10気圧かけて一晩置きましたが、サイドの切れ目はほぼ面一で 膨らんで来ませんでした。トレッド部分をなでると若干違和感があります。 ローラーで音が出るかもしれませんが予備なのでこれ以上は追い込みません。

 2013年08月09日 何度か修理していたコンチのスプリンターですが (まだ使ってたんです。最初のパンクは2008年6月7日ですか…)、 朝起きて見たら空気が抜けてタイヤがホイールから一部外れてました。 タイヤを外してみると修理部分のふんどしが切れて、 自分が縫い合わせていた糸がズタズタに切れて、 チューブ(パッチ部分の脇)が5cm程裂けていました。 前日のローラー台終了時までは特に問題ありませんでした。 夜中に破裂し、衝撃でナイロン糸とふんどしが切れたようです。 家族に聞いてみたのですが、誰も音には気付かなかったようです。 これでは修復は無理です。使えるのはバルブの虫ぐらいでしょうか。
 実はリヤも先日外走りしたときに石を弾いて微妙にサイドカットしてます。 チューブが布目の奥に覗いているかという状態。こっちももう無理か…。

 ほとんどローラーで年間7000kmとしてパンクしてから7年5万km程使ったことになりますか。 これだけもってくれれば修理した甲斐もあったというものでしょう。 予備のホイールは用意してあって直ちにホイールごと入れ替えました。 リフレックスリム、アルテハブ、コンチコンペタイヤ。 コンチコンペはパターンが杉目でローラーで高音ノイズが結構出ます。 コンペははめるのが最高に硬いとか言われてます。 チューブラの中ではそうなのかもしれませんが、 IRCのRX-01specRの後輪に比べればどうということはありません。

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