Pentax K1000

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 いつものようにオークションをチェックしていて発見してしまいました。 SPFのKマウント版であるKMの廉価版とか言われています、 K1000(1976?-1997)です。ファインダー内は右側に 中央合致式の針式露出計のみで、シャッター速度、絞り値は表示されず、 OM-1みたいな感じです。倍率0.88倍、視野率90%で当時の入門機レベル。 プリズムはアルミ蒸着で、 ファインダースクリーンはマイクロマットまたはスプリットマット。 シャッターは機械式で1/1000〜1秒、バルブ、X1/60。 なぜかシャッターチャージ表示はありますが、 絞り込みレバーなし、 ミラーアップなし、セルフタイマーなし、裏蓋メモホルダーなし、FP接点なし、 シャッターボタンロックなし、 露出計のon、offスイッチもなく、レンズカバーをつけると 露出計offになる(フォトスイッチ)というコスト削減の極みみたいなカメラです。 反面壊れる所が少なく、かつ修理もし易いともいえますが。 電池はLR44orSR44を1個。

 前期の金属外装と後期のプラ外装に大別され、 区別の方法は前期がペンタ部にAOCOとASAHI PENTAXのマークがある。 後期がPENTAXのマークのみ。 しかしPENTAXのマークのみの金属外装もあるとの事です (中期と称すべきでしょうか?オークションでちょくちょく見ますので そんなにレアと言うわけでもないようです)。 約22年間の長期に渡って作られており、バリエーションは 非常に多彩でややこしいようです。

 今回出品されていた物はPENTAXのマークのみのため プラだろうと思って最高一万円までだけど、50mmF2.0付きだからこれに2000円で、 12000円で入札しましたが、以外と安く落とす事が出来まして、 7700円でライバルの皆さんが諦めてくれました。送料700円、合計8400円。

 落札できたのでK1000の画像をネットであさってみた所、 確かに前期、後期で分かれるのですが、細かい部品が 入り混じっている事に気付きました。 そして今回落札した物はどうも中期のAOCOマークなしの 金属外装のようです。お買い得だったかもしれない (金属外装ですか?なんて質問しないでよかった)。

K1000で気付いた違いですが、

前期金属外装
AOCO ASAHI マークがある
ホットシューの根元が黒
巻き戻しクランクが黒
巻き戻しクランク下が黒
ファインダーアイピース左右にネジがない
軍幹部巻き戻しクランク側上面にネジがある
PENTAX銘のあるところの左右側面にネジがない

後期プラ外装
AOCO ASAHI マークがない
ホットシューの根元が銀
巻き戻しクランクが銀(黒もある)
巻き戻しクランク下が銀
ファインダーアイピース左右にネジがある
軍幹部巻き戻しクランク側上面にネジがない
PENTAX銘のあるところの左右側面にネジがある

中期?金属外装(今回入手した物)
出品者、物撮りうまいっす AOCO ASAHI マークがない
ホットシューの根元が黒
巻き戻しクランクが黒
巻き戻しクランク下が黒
ファインダーアイピース左右にネジがない
軍幹部巻き戻しクランク側上面にネジがある
PENTAX銘のあるところの左右側面にネジがない

 ネジの場所の違いは金属とプラの強度の違いによる物と思われ、 プラ外装のK1000は同じくプラ外装のMEsとよく似たネジ配置になっています。 金属外装の場合MXでも見られるのですが、 ホットシューの根元は黒いプラで絶縁する必要があるものと 思われます。また、ホットシュー根元が黒なら巻き戻しクランク下も黒のようです。 従ってホットシューの根元または 巻き戻しクランク下の色で、ほぼ金属かプラかの判断はつくという事になります。

生産国の変遷ですが、海外サイトに
 1975年〜1978年 金属外装 日本製
 1978年6月〜1990年 金属外装 HongKong製(後期からプラ外装もあると思われる)
 1990年11月〜1997年 プラ外装 Cina製

とありました。 日本製の物には巻き上げレバー下にASAHI OPT.CO.,JAPANの刻印があります。 従って生産国表示のない金属外装は、順番から HongKong製の前期物と考えるとつじつまが合いますね。 生産国をHongKongに移したのでJAPANとは打てない、しかしHongKongとは 打ちたくないという思いがあり、生産国は刻印しなかったのでは? またHongKong製のプラ外装という個体もあったので、 HongKongでの生産途中に金属からプラに代わったものと思われます。 Cina生産では当初からプラだったと考えますが、 正確な所はまだ分かりません。すべて推測です。
 A50mmF2.0の生産は85年4月からで、 K1000の国内販売は86年6月からという事なので レンズが交換されてないと仮定すると、 AOCOマークなしの金属外装の生産時期は 85年から数年以内の極短期間でHongKong製の金属外装末期ではないかと思われます。

 ちなみに今回入手したK1000ですが、フィルム感度はASA表記です。 巻き上げレバーの所にASAHI OPT. CO.と刻印がありますが、 生産国の表記がありません。下カバーに細長いシールが張ってあり、 下に何か書いてあるのではないかと思われますが、剥がすべきか迷っています (個人名が彫ってあったりして)。
 後日オークションを眺めていてこのシールの意味がわかりました。 このシール自体にassenbled by HongKongと書かれていたのだそうです。 当方の物は擦り切れて文字が読めなくなっていましたが、 早まって剥がしてしまわないで正解でした。

金属  K1000SEと言うのも見ました。これも金属とプラがあるようです。巻き戻しクランク 側にSEと彫ってありますので一目瞭然。 ファインダースクリーンがスプリットマイクロマット になっているらしいです。 巻き戻しクランク下が黒なので金属と思われます。 素のK1000よりやや高値で取り引きされています。
プラ  こちらもSEですが、巻き戻しクランク下が白なのでプラと思われます。 底にASSEMBLED IN CHINAとあり、底カバーもプラになってます。 末期モデルですね。
 一応現行でMZ-MというMFモデルはあるのですが、残すなら多少値上げしてでも 外装プラの中国製でもK1000の方を残して欲しかった…。
プラ ペンタックスとAPI(って何?)のパートナーシップ35周年を記念したモデル(1994)。 巻き戻しクランク下が白なので上カバーはプラのようです。 イタリア市場で300台の限定販売。
 ペンタには珍しく釣環に傷防止の皮が付いています。 ペンタックスでこれが付いている機種を他に知らないのですが、 自分の落札した物にも片方付いていることから、これはオリジナル部品だと思われます。

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