2008年10月11日 DUCATI 748SPS 自力タイヤ交換

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 ようやく着手する時間が出来たので交換しました。 まずは車輪の取り外しが簡単なリヤから。 46mmのナットを回そうとすると車輪が一緒に回るので、これを止めないといけないのですが、 前もっていくつか方法を考えておきました。 その中で一番簡単な、サイドスタンドで立てた状態で車輪止めをRタイヤにあてがってから 回す方法から試してみた所、バチンという音と共に緩みました。意外と簡単でした。 車輪の回転を止める仕掛けがついたRスタンドなども市販されているのですが 必要ありませんでした。 緩めるのには予定通り中村製作所のトルクレンチ(KANON)を使用しましたが、 ハンドルが長いので、たいして腕力は必要としませんでした。

 ビード落としはGooseの時と同じ道具を使いました。 無論一撃では落ちませんので少しずつずらしながら全周にわたって押して ビードをずらしていき、1周したところで落ちました。 反対側も同じように1周押したら落ちました。

 タイヤを剥く作業は、タイヤが柔らかく ビードがリムの谷にはまり込んだ状態で安定するので バイアスより谷に落とし易く楽でした。 リムプロテクタ4個分をレバーで剥けばあとは手で外せます。 反対側は立ててからレバーではずしました。

 ざっときれいにしてからリムのみでバランスをみたのですが、 エアバルブとは全然違う所が重点でした(写真の状態で止まりました。むしろ エアバルブ近辺が一番軽い。タイヤ交換前のウェイトはバルブ付近に30gついていたので リム重点は今回見つけたポイントから大きく外れてはいないと思います)。 一応Hのマーキングをしておきました。 自作のホイールバランサーは問題なく機能してくれまして、 ストレートのアダプターもキッチリ嵌まってリムは上下左右ともまったく振れませんでした。 さすがDUCATI用と銘打っているだけの事はあります。 写真のシャフトは安全を見越して600mmを購入したのですが、400mmもあれば充分なようです。 ベアリングの高さとカマボコ板の厚みでシャフトの輪になった部分は一升瓶ケースに 当たりませんのでわざわざ切る必要もありません。

 タイヤのミミに中性洗剤を塗ってからタイヤの軽点とドライブ方向に注意して 片方のミミをバチンとはめ込みます。この辺はバイアスと同じ。 もう一方はリムプロテクターをセットし、 ある程度足で入れてクリップで挟んでからレバーで入れ始めます。 入れるときに、プロテクター4つではちょっと苦しかったのですが、何とか入りました。

 ミミ出しは1馬力10Lタンクのコンプレッサーを使いまして、タンク内圧が8から6気圧に 減少した頃にムニムニッという感じで上がりましたが、いつもの派手な音はしませんでした。

 再び自作バランサーにセットしてバランスをみたのですが、ズレは5g以上10g未満で 5gよりのようでした。よって貼り付けるべきウェイトは5〜7.5gの間ですが、 10g以下のズレなら実用上問題ないらしいので 古いウェイトから5g切り出して強力両面テープで張りました。 自作バランサーの感度は2.5g以下で実用充分のようです。 なんかGooseのバランスも取ってみたくなりました。

 タイヤを馴染ませるため空気圧を若干高めの2.8気圧にセットし、 ホイールを車体にセットしました。 爪がホイールの穴に嵌まるように注意して、 ナットを締める時にホイールの供回りを防ぐために鉄パイプをホイールに突っ込んでスタンドに 通しました。ホイールと鉄パイプの当たる部分には布をあてがいまして、16kgmで 締めましたが、外す前のナットの位置とほぼ同じになりました。緩み止めのピンをセットし、 ワイヤリングして完了しました。鉄パイプは曲がりませんでした。
 自分のは98年式で、98年式のマニュアルに従ったのですが、 2000年式748Rのマニュアルでは、リアホイール側176Nm(18kgf・m)、 スプロケット側156Nm(16kgf・m)、 フロントホイールナットは63Nm(6.4kgf・m)と締め付けトルクが指定されているそうです。 (1kgf・m=9.807N・m  1N・m=0.10197kgf・m=10.197kgf・cm) 年式が進んで少しトルクが上がっているんですね。 これは低年式で何か問題があり、増強されたのかもしれません。 16kgf・mでは少し足りないのかも…。今の所弛みは見られませんがもう少し締めておこう。
 あそこの構造は、 加速で緩まない方向に押しつけて締めると ブレーキング時は緩み易くなるし、ブレーキング時に緩まない方向に押しつけて 締めると加速時に緩み易くなります。 どちらが力が大きいとはなかなかいえないでしょうし…。 ガタがないように作ると貼り付くし、難しい所ですね。

 150kmほど走行した後にチェックしましたが緩みはなく、 175Nmかけてみましたがロックナットは動きませんでした。 16kgf・mかけたあとピンの穴位置を合わせる為にさらに締めたのですが、 そのときに175Nm以上で締まっていたようです。 今回は間違いないようにステンレス平棒でL金具を作り、 プレートの175Nmの所に磁石で付けて、トルクレンチの針がその金具に当たったのを 目と耳で確認しました。

 Rホイールの厚みの薄いロックナットを回すのに、 ネジ頭の入る部分に面取りのない最大限ナットに力がかかる 46mmの特殊なソケットが非常に高価な値段で売られているのを良く見るのですが、 今回自分の使ったのはストレートで購入したFLAGの普通の46mm(\1420)です。 きちんとナットにかかりますし、緩め、締めともにまったく問題ありませんでした。

 特にラジアルだから、太いタイヤだから難しいという事はなかったです。 むしろラジアルは柔らかくてミミめくり自体は簡単です。 ビード落としの困難さにタイヤの太さは関係ないです。 初期投資は必要ですがプロアームはホイールの脱着がホントに楽です。

 今回購入したタイヤには軽点マークと思われる赤い点が2つ入っていましたが、 軽点マークの入ってないタイヤもあるそうです。そういう時はどうするかというと、 某掲示板によるとタイヤのつなぎ目が一番重くなるのでその反対側が軽点なんだそうです。 という事で手持ちの4本を調べてみました。BT-39は前後ともタイヤの内側に少し盛り上がった つなぎ目が斜めに入っているのが確認でき、その反対側に軽点マークが確かにありました。 今回外したディアブロコルサの前輪には大きく盛り上がったつなぎ目が確認できましたが、 軽点マークはすでに消えていました。 ディアブロコルサの後輪には軽点マークが残っていましたが、 製法が特殊なのかどこにもつなぎ目がありませんでした。 ということでこの話は軽点特定の判断材料の1つにはなるようです。

 続いてフロントに移ろうとしたのですが、アクスルのナットが28mmだったんですねー。 手持ちの工具にはないのでここで中断となりました。昼食後、近所のHCに買いに走りました。 KTCのB4-28Wを1000円弱で購入してきましたが、時間切れとなりまして、フロントは 明日に持ち越しとなりました。 KTCのソケットは初めて購入するのですが…、良い出来ですねー。惚れ惚れします。 Rスプロケット側の41mmもそのうち発注しておこう(こっちはFLAGで)。

 Fアクスルの28mmナットとFフォークボトムの12mmボルトの緩める順番が 良くわからないのですが、マニュアルではホイールを外す時は、
ブレーキキャリパーを取って、
28mmナットを取り、
左のフォークボトムの12mmのボルトを緩め、
スピードメーターケーブルを取り、
アクスルを右側に叩き出す。
とあるのですが、右のフォークボトムの12mmボルトをいつ緩めるか 書いてありません。

 ホイールをつける時は、
位置決めの特工をアクスル右側にセットし、
位置決めの特工が収まる位置まで刺して、
28mmナットを規定トルクで締め、
前輪を下ろし、ハンドルを押してフォークとアクスルの位置を馴染ませ、
右フォークボトムの12mmボルトを規定トルクで締める。
とあり、左のフォークボトムの12mmボルトをいつ締めるのか書かれていません。 しかし、外す時は左だけ、つける時は右だけ描写してあることから 左右同時に締めればいいという事のようです。 フォークボトムの12mmボルトは締めすぎるとアクスルが変形して 勉強代が高くつくので注意だそうです。

 Fタイヤ交換終わりました。タイヤをホイールから外すのに非常に難儀しました。 余裕がなかったので写真は撮れませんでした。
 手順通りブレーキを外し、 アクスルの28mmを緩め、 フォークボトムの12mm4本を少しずつ均等に緩め、 ジャッキ2本をカマボコ板を介してフォークボトムにあてがいフロントアップしました。 まずまず安定していて危ない事はありませんでした。ジャッキのネジは手で回ります。 アクスルナットを取り、メーターギヤがフリーになるので回しやすい位置へ持ってきて ケーブルを抜きました。ボトムの12mm4本を完全に緩めてアクスル右側に特工をはめて、 回しながらアクスルを右に抜きました。 フロントフェンダーにタイヤが干渉しないようにさらにジャッキアップしてから ホイールを抜き取りました。

 ビード落としはRタイヤより楽で、半周ほど押したら落ちました。 しかしもう少しここで楽がしたいですね。 タイヤを押す木片の角度とか高さを最適化したり、 押しているとタイダウンの金具が負けてのびてくる所とか 少し検討します。

 タイヤの片側をめくるのは難なく出来ましたが、もう一方が非常に手ごわくて 時間と体力を消耗しました。ビードに中性洗剤を塗り、タイヤレバー3本目も使い、 何とか剥ぎ取りました。 ビードがリムの谷に落ちているのは何度も確認しました。 タイヤが硬いのとブレーキディスクを取らなかったのが敗因です。 しかしタイヤ交換のたびにディスクを取るのは避けたいです。 タイヤをたたき切ろうかとも思ったのですが、 それをするとなんだが負けたような気がするので思い止まりました。 しかしタイヤを捨てる時は切り刻んで小出しにするわけですが。

 ホイールのみでバランスをみたのですが、こちらはバルブのすぐ脇が重点でした。 自作のホイールバランサーと車体のシャフトを使ってバランスをみるのと両方 試したのですが、自作の12mmのバランサーシャフトを使ったほうが 動きが良かったので以後こちらを使いました。 タイヤの軽点とホイールの重点、回転方向に注意して新タイヤをはめました。 はめるのはいつも通りで問題ありませんでした。 ミミ上げもいつもの景気のいい音がして上がりました。 バランスはホイールの重点が一番重く、15g以上25g以下でした。 手持ちのウェイトで20gを作るのが難しかったので1円玉5枚追加したのですが、 約20gでバランスが取れました。 交換前は違う場所に15gのウェイトがついていました。

 元通り組み立ててトルクもきちんと管理し、終了しました。後かたずけも含めて 3時間もかかってしまいました。古いタイヤのミミめくりに1時間近く格闘していたような…。 フロントはバラしたり、組み立てたりするのにも神経を使いますし。

 それでも今後バイクのタイヤ交換は自力以外考えられません。 もう一回交換すれば諸々の道具の費用の元は取れますので。 3/4sqのトルクレンチが高かった(T_T)。 GooseのTT900が思いの他減りが早いです。次はこっちか。

 夕方、我慢できずにいつもの峠に皮むきに行ってきました。 慎重に50kmほど走ってきましたが、自分が組んだ部分は特に問題ありませんでした。 タイヤの印象はコルサからコルサIIIなのでまったく変化を感じないです。 非常に素直で寝かせれば寝るし、起こせば起きます。 膝も今までと違和感なく擦れました。ぬふわkm/hぐらいまでしかおそらく出してませんが、 特に振動とかは感じませんのでバランス取りもうまくいったようです。 走行後のタイヤは後ろは端まで接地してましたが、前は1cmぐらいアマリング。 コルサのRタイヤ端は絶壁で結局接地させられなかったのですが、 コルサIIIではそれはないようです。

 今回は燃料ポンプリレー交換後初走行だったのですが、エンジンが別物になりました。 今までは下がスカスカだったのですが、トルクが増えて非常に乗り易くなりました。 いつからあんな状態で乗っていたのだろうか…。

 ところでツナギがそろそろ出来上がってくる頃なのですが…

2008年10月25日、F-ONEさんが閉店しました。
残念です。
ここ10年F-ONEさんのツナギでした。
購入当時ツナギを使い続けるかどうかわからなかったので、 万が一箪笥の肥やしになったとしても最小の被害で済む程度に 安価で本当に助かりました(今ではほぼこのツナギで乗っています)。
初サーキット、初膝擦りに導いてくれました。
雨で濡れてもツナギの事を気にせず使い倒せました。
転んで傷ついてもむしろ箔が付いたと。
現在はやせたせいでだぶついていますが、 バックアップ用として大切に保存したいと思います。

他店さんにオーダーしていたツナギのほうは 取引していた革屋さんが倒産し、 革が入手難で遅れるそうです。orz
走行会に間に合うか微妙な所。

 2009年1月10日、雪のぱらつく中をお世話になっているショップへ車検出しに 持って行きました。依頼したのはアイドリング調節とバッテリー、 タイミングベルトなどの消耗品交換ぐらいでした。
 1月24日車検完了との事で、再び雪の中を受け取ってきました。 相変わらず週末の寒気&積雪攻撃にはあきれますねー。 問題点は Rホイールが嵌まるピンが1本折れていた、テールランプ片方玉切れ、 ガソリンタンクのOリング劣化でガソリンが若干にじんでいた、 レギュレータのコネクタ溶け、ぐらいだったと思います。 これで燃費が完全に戻るといいのですが。 また、3月14日に直入での走行会に参加できそうです。

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