眼鏡考察

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 最近眼鏡を更新しました。 今まで使っていた物は12年ほど前に作ったrenomaの合金フレームに、 左目がHOYAの非球面ガラスレンズ、 右目もこの眼鏡を作った当初はHOYAの非球面ガラスレンズだったのですが、 数年後に度が進行してPENTAXの1.6球面ガラスに入れ替えています。 非球面と球面で見え方がかなり違いまして、非球面には馴染めませんでした。 隅々までカリッと見える球面が好みです。 またレンズはガラスしか使った事がありません。 プラはすぐ傷がついて見え難いし黄ばむし、寿命が短いので今後もプラを 使う事はないでしょう。
 長年の使用でこの眼鏡の蝶番部分の左右に相次いで輪切れが起こりました。 かろうじて眼鏡は使用可能ですが、いつテンプルが取れてもおかしくない状態です。 修理しようかとも思ったのですが、フレーム他の部分の金属疲労、 レンズコーティングの傷などを考慮すると 更新という判断となりました。そもそも現在の度数の眼鏡は これ一本のみで、バックアップもないので修理、更新いずれにしても もう一本は必要なのでした。

 まずフレームの選択なのですが、自分で測定した所PDは68〜69mmぐらいなので
FPD68〜70mmぐらいの物、
材質はメタルでチタンでも合金でもOK、
レンズはガラス一択なのでフルリム、
ブランドはこだわりなし、
デザインはレンズが小さめでオーバルっぽく、
レンズの耳側が吊り上がってないような物、
日本製、
 といったところで探したのですが、 なかなかこれはという物がないですねー。 そもそもブランド別に陳列するのではなく、FPD別に見せて欲しい物です。
 ほとんどが日本の鯖江製なのだから日本っぽいブランドということで探して回ったところ、 眼鏡工房というブランドを見つけました。ここのMC95は FPD69でサイズOK、チタンで構造も丈夫そうです。レンズの縦が小さめの32mm なのですが、レンズが小さいということはそれだけ軽く薄くなるということで これをポチッとしました。込込1.2万。

 レンズは度数がわからないのでいつもの眼鏡屋へrenomaと眼鏡工房フレームを持参し、 同じ度数で快く入れてもらいました。屈折率1.5の球面ガラスレンズにしたかったのですが、 1.6からしか取り扱ってないということでTOKAIの1.6球面ガラスとなりました。 これも左右で1.2万。 今回調べていて知ったのですが、 見え方は屈折率が低いほうが 色収差の点で有利なのだそうです。 それを示しているのがアッベ値という数字で大きいほど良い。 反面レンズ縁が厚くなりますが、そこはレンズが小さいフレームで対処。 厚くなるということは重くなるという事でもあるのですが、 低屈折は比重も小さいので正比例はしません。 新しい眼鏡は完成状態で20gちょっと。 renomaは40g弱。持った感じも掛けた感じもかなり違います。

 そこで自分の正確なPDは67mmで、
度数は
R SPH-3.75 SYL-0.50 AXIS180
L SPH-3.25 SYL-0.50 AXIS155
ということがわかりました。 SPHが全体的な度数で、SYLが乱視の度数、AXISが乱視の軸のようです。 このデータがわかればレンズも好みの物を通販で安く入れる事が可能です。 初めのうちはrenomaは修理に回してバックアップにしようと思ったのですが、 レンズコーティングの剥がれと傷がひどいので同時にレンズも入れ替えたい。 だったらいっそのことフレームも新しい物をということになりました。  再びフレーム探しを始めたのですが、 今度は完全なオーバル型で、PDとFPDを一致させるとどういう風になるか 確認するためPD67の物に限って探しました。 探していると、ウスカルとかジョンレノンとかカメマンネンとか治太夫とか 一山タイプとか、いろいろと知らない事がわかりました。
 で、John Lennonの JL-21-82B(46□21-143 H35のオーバル)を見つけました。 べつにJoho Lennonファンというわけではないし、日本製のフレームに そういうブランドがつけてある程度の認識しかありません。 Joho Lennonは丸がメインのようですが、オーバルも縦横比が各種充実しています。 作りも良さそう。構造はちょっと細めで 蝶番も小さめですが、板状のテンプルで強度は許容範囲と思われました。 鼻パッドも下げ易そうな構造です。
 他には デキシー DIXIE 4356 45□22-140 H33 日本製 \9450 サイズは理想的ですが構造的に蝶番が弱いかも?色がダークブルーしかない。 これぐらいでしょうか。あまりオーバルは多くないんですね。 JL-21-82Bに決定し、色はアンティークシルバーにしてみました。込込1万。

 通販で眼鏡を作る場合フィッティングを自分でしなければなりません。 これが最大の難関でしょう。 一応 ここにフィッティングの方法論がありますが、 経験的にきっちりフィットさせるのはなかなか難しいです。 人生最初の眼鏡はいじりすぎてクリングスを破損させるという 苦い経験をしました。最小工数で追い込まねばなりません。

 妻は軸性近視でコンタクトの度数が-10とか-11らしく、 なかなか合う眼鏡を作れないでいました。 これはウスカルの出番では?と、近所で取り扱っている店を探しましたが、 九州には2件ぐらいしかなく、自分もウスカルの実物を見てみたいので、 そのうちの1件へ先日連れて行きました。 そこで検眼してもらった所、左目は矯正しても視力が右ほど出ないということでした。 網膜にも問題があるのでしょうか…。
 しかし妻の眼鏡も痛みが激しいのでウスカル枠で作ってきました。 本人はせっかくだからとウスカル最小の シンメトリーを選択し、レンズも1.9球面で合計6.5万(私の3本分…)でした。 お店は車で2時間以上かかる遠方でしたが、 その場でフィッティングして、後日レンズを取り寄せ加工し 送っていただけるということで1回お店に行けば完成します。 フィッティングの行程を見ていたのですが、 工具も専用品を使って やはり最小工数で仕上げてしまいますね。 話の通りでまつげに触れないぎりぎりまでレンズを眼球に近付けていました。 ウスカルのシンメトリーですが、妻は体格が小さく(身長145cm、PD58mm)小顔なので シンメトリーでも特に違和感なかったです。

 3日でJL-21-82Bが来まして、レンズを入れる前にフィッティングしました。 多少傷つきましたがなんとか納得いく所まで追い込めました。 細いくせに非常に固い素材で、 やっぱ合金にしとけば良かったとか思いつつ、 折れるんじゃないかと冷や冷やしながらのフィッティングでした。 次にレ○ズ○.comでホッタの1.5(眼鏡工房の1.6と比べてみたいので)球面ガラス\8000を オーダーしました。もっと安いところもありますが、 加工が下手だと困るので、ガラスへのこだわり、評判などからこちらを選びました。
 フレームを7/21にエクスパックで送り、7/22先方へ到着時にメールが来て、 レンズ加工の見通しは7/25頃発送、なども教えていただけて安心でした。 実際には23日発送、25日着でした。
 見え方は問題なく指示通りと思われます。レンズに傷や加工部分の欠けなども ありませんでしたが、右側のレンズが少しカタカタと動きますねー。 プラレンズはキッチり入れると歪むのでこれぐらいにせざるを得ないのですが、 ガラスでこれはいただけない。 プラレンズのクリアランス設定で加工したのでしょうか? 右側をまず加工し、入れてみたらガタがある。プラレンズ設定になっていた。 左はガラスレンズ設定で加工した。そんな光景が目に浮かびます。 プラとガラスで同じ機械を使っているかどうかわかりませんが。 左側のレンズはガタなくキッチり収まっているだけに ちょっと残念ですね。 簡単にレンズが外れることはないみたいだし、 レンズとフレームの間にビニールを挟んで対策することでガタはなくなりました。 こちらの眼鏡は完全通販で1.8万で完成しました。
 今回、半通販、全眼鏡店、全通販と3つの方法で作ったわけですが、 気に入ったフレームがその眼鏡店にあり、 全部眼鏡店で作れればそれは非常に恵まれた方法で、それに越した事はないと思いました。

 屈折率1.6(アッベ42)と1.5(同58)のガラスレンズですが、 色収差の違いは比較的容易にわかります。 黙って2種類見せられれば、 端の方で見ることで優劣の判別はつきますが、中心部はまったく差がありませんので 実用上はどちらでも大丈夫です。 レンズの厚さはレンズサイズ次第で、 1.6で51mmの眼鏡工房と1.5で46mmのジョンレノンでは後者が若干薄く、 眼鏡全体の重さは後者が1g軽いです。
 ということで値段を考えれば1.5。わざわざ高価な1.6を選ぶ理由がないです。

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