2006年9月18日Goose Fフォーク整備

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 ダストシールがひび割れて早2年、オイルは漏れていませんが、漏れるのも時間の 問題ですので、シール類とオイルの交換を行いました。 前回オイルを変えたのが多分6年ぐらい前で、 この時は左にはオイルがほとんど残っていない状態でした。 またスプリングを押し縮める専用工具もなく、外すのは何とかできたのですが、 組み立ての時は力ずくというわけにはいかずSSTを使わない方法で悩みましたが、 上手い方法を考え付き無事オイル交換を終えました。

 今回はシール類の交換にオイルシール圧入工具が絶対必要ですので これはオークションで購入しました。4200円。交換し終わった今でも やはりこの工具だけは必要だと思います。 オイルシールを入れるにはかなりの力が必要でした。 インナーにガムテープを分厚く巻いて インナーをハンマーにしてオイルシールを入れるという方法も見つけましたが、 相当上手くガムテープを巻かないと、これはかなり厳しいと思います (と思っていたのですが、実はそうでもなく結構うまくいくらしい。 次に交換する時に検証してみます。かなり先でしょうけれど)。

 細かい手順はすでにいろいろなホームページがありますので、 SSTを使わないでフォークを押し縮め、ストッパーを脱着し なおかつSSTより操作性のよい方法を紹介します。

 用意するのは
適当な強度のフック2つ(私はホームセンターで適当なのを買いましたが、 カーテンのフック、針金ハンガーで作るなどでも可と思われます。 弾けると危険なので強度をよく吟味してください。 フックの大きいものは内側に出っ張り、ナットに干渉するので鋭角に曲がっている物が良いです)
ロープ(直径1cmぐらいの綿ロープなど)
ジャッキ(上面が平面の物、私はホンダステップワゴンの物を使いました。 ホンダの物は大体平面のようですが、日産のは山型になっていて不適。 プジョーも不適。他メーカーはわかりません)
かまぼこの板(適当な平行平面の木材で可)
もやい結び

左の写真のように スペーサの穴にフックを引っ掛けます。
ジャッキの下を回したロープで左右のフックを 結合します。ロープがフォークとジャッキのセンターに来るように調節して下さい。 でないと倒れます。
ゆっくりジャッキアップしていくとフォークスプリングが 縮んでいきます。ジャッキのネジは指で十分回せます。 フォーク下端が平面でないと自立しませんが、Gooseは 平面で自立します。一人で作業できてスプリングを縮めた状態をキープしてくれる ので使い勝手が非常によいですよ。
 ちなみに今回はフォークオイルは左右とも十分入っていましたが、右は真っ黒、 左はまだ赤みが残っており、劣化にはかなりの左右差がありました。

 スライドブッシュ、ガイドブッシュはテフロンコーティング部分は綺麗で 交換の必要を感じなかったので交換してません。 またダンパーは特にその必要を感じなかったので外してませんのでインナーチューブの 清掃は限定的なものになっていますが、外すとオイル漏れの可能性が増えるのと 埃の付着などもあるので必要最低限の分解で済ませました。
 オイルシール挿入時は傷が付かないようにサランラップでインナー上端から 小穴部分までを覆い、うまくいきました。 ガイドブッシュの打ちこみは一撃で入っていったのですが、 オイルシールは何回もスライドハンマーを叩きこんでようやく入りました。 これはかなりきついです。

 フォークオイルの油面調整でサービスマニュアルによると ダストシールを底付きした状態でアウター上端から99mmとありますが、 ダストシールを底付きすると写真のようにアウター上端よりインナー上端が上に位置します。 サービスマニュアルの写真と図ではアウター上端が上に位置する事になっています。 開発途中でインナーが伸びたかアウターが縮んだのでしょうか?
この場合基準にする所は
1.あくまでもアウター上端
2.インナー上端
3.サービスマニュアルの写真と同程度アウターを引き上げた状態にしてアウター上端
4.油面ではなくオイルの量388ccで決める。
の4つの方法が考えられます。

 理想的には4で油面99mmの基準はどこか探すべきでしたが、 オイル計測の手順が増えるし埃の混入が避けられません。 次やる時はこれでいってみたいですが今回は余裕がありませんでしたので なみなみ入れてから油面で調節しました。
 油面では1がオイルが一番少なく、3が一番多くなりますので 1で柔らか目、3で固目になるのですが、今回は前回と同じく 間を取って2.のインナー上端から99mmにしてみました。 しかし1と2の差は10mm程度で、フォーク内全体の空気量から考えると 大した違いではないのかもしれません。
 そもそもこの作業は最圧縮時のフォーク内の空気の体積を決めるのが目的ですから、 厳密には上キャップをして底付きした状態(インナー上端が上キャップ 下のダンパーゴムに当たった時)のアウターの位置で調節すべきです。 マニュアルにも「アウターチューブを最圧縮状態にする」とあるので。 この一文の後に「(ダストシールが底着いた状態)」が続くのですが、 この()内が間違っているのではないでしょうか。 マニュアルにはFフォークのストロークは120mmとありますが、 インナーの露出部分は145mmあり、下25mmが使われていません。 Fフォーク最圧縮状態はダストシールがインナー下端から25mm上の位置です。 従って3が正解ですね。今回は油面を15mmほど下げて約114mmに した事になります。 インナー上端からなら84mmにすればよいわけです。 今までFフォークが底着きした事はないし、 柔らかくなる方向なのでまずはこのまま乗ってみます。

 ちなみにフロントアップはこんな感じでやってます。購入したのは足場パイプ1本のみ。 ギヤを1速に入れてサイドスタンドをかけた状態でパイプを差し込み、 パイプが右側の台に乗るように台の高さを調整し、 左は一升瓶ケースの上にジャッキを置き、パイプを水平より少し持ち上げてから ブロックとかまぼこの板の上に乗せてジャッキを抜き取ってます。 かまぼこの板は微調節兼パイプの傷つき防止です。 ジャッキは後で使うので抜き取ります。

 後日乗ってみたのですが、整備前と特に違いを感じません……。 8の字も今まで通り普通に出来てますし、ブレーキングでの挙動も 今まで通りの様な…。オイル漏れもなし。 特に間違ってないという事でしょうけど。まあ今回の最大の目的は ダストシール交換なので。


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