2019.06.30 メトロノーム修理

2019.06.30 メトロノーム修理

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 2011年10月からローラー台に乗る時に、 ケイデンス(脚の回転数)を一定に保つ為に 機械式のゼンマイのメトロノームを使っています。 それ以前はPCのメトロノームソフトで音を鳴らしていたのですが、 PCやモニタが定期的に壊れ、そのたびに不便な思いをしていたので、 独立したメトロノーム導入となったのでした。

 当時いろいろと調べていたのですが、 ローラー台で使うに当たって事前に知りたいことは2つ、 フルにゼンマイを巻いて何分持続するのか、 ピッチは細かく(最小1/10拍程度は)調節できるのか。
 持続時間は電気式はいいとして、機械式は何処にも書いてない、選べない。 音楽室のメトロノームでテストしておくべきでした。
 ピッチはアナログなら問題ないですが、 持続時間で有利な電気式は最低でも1拍単位というのが多かった。
 さらにメトロノームについて調べていくと、ドイツのWittnerというものが。 当時プラ外装のtaktell super miniで5kぐらいだったかと。 木製外装は倍するし、中の機械は同一なのでプラでOK、 ドイツ製で丈夫そうに思えたので、お高いけど購入。 持続時間は不明ですがドイツ製に賭けるしかありません。 中華は似たようなのが安くありますが、 やはり耐久性に問題ありそうだったので避けました。 国産はピアノの上においてある大きいのしか見当たらなかったような。 ニッコーに小さいのがあったんですね、調査不足。
 電気式でも唯一セイコーのSP-100は振り子+電気で調節がアナログ式のように見える (未確認、40〜208拍39ステップ固定、という記述もある)。 しかし当時はこれに行く勇気はなかった。 ゼンマイ方式はピッチをいくらでも追い込めるのと、 多少揺らぐのがむしろ自転車には好ましいかと。

 という事でwittnerを導入し週に5〜7回、フルにゼンマイを巻いて、ほどけきって止まるまで 鳴らし続けるという使い方で8年目。
 当初は1分間に70回前後鳴らして60分ぐらいは持続して鳴ってました。 1拍でクランクを1.5回回すのでケイデンス105ぐらい。
 買って1〜2年は良かったと記憶しているのですが、冬になって気温が下がってくると、 金属が縮んだり油脂が硬くなったりクリアランスが減ったりと悪条件が重なって、 ゼンマイ方式ではある程度は致し方ないのかもしれませんが、 徐々にピッチが遅れる(錘を下げて対応)のと同時に 持続時間が短く(こちらは如何ともし難い)なっていき、 ローラー終了(48分前後)前に止まるようになってきました。 脚を止めてゼンマイを追加で巻いたり、 以前使っていたPCメトロノームに切り替えたりして だましだまし使いつつ冬を乗り切ってました。

 今期はなぜか気温が上がってきたのに50分持続してくれず調子悪いまま。 以前にも何度かばらしたことはあったのですが、 結局原因がわからず注油などでお茶を濁してました(しかし注油では改善したためしなし)。
 今回、またばらして軸受けなどに注油したりしてもダメ。 ゼンマイのところにNOT OILと書いてあるのに気付きまして、注油はまずいみたい。 油をふき取りつつ、 振り子の前後軸が荒れていたのでバフに青棒でピカピカに磨き上げましたがダメ。 バラせるだけバラそうかとゼンマイの次の歯車の軸を押し抜いて、 こちらも荒れていたので磨きました。

 ゼンマイ本体はばらす方法がわからず手が出せませんでした。無理は禁物。

 組み立てていて、ゼンマイから2つ目の歯車(ゼンマイ+歯車2つという構成)が 左右に位置調節できる構造なのに気付きました。 振り子の振れ角と音のタイミングを左右で一致させる為の調節機構と思われました。
 そこもばらしたので組み立て調節したのですが、 そこは歯車の軸を左右から挟む構造で、遊びも調節できるわけです。 その歯車の先は左右に揺れる振り子に繋がり、 歯車には左右方向に力がかかるので、 当初ギリギリまで遊びを少なくすべきだろうと考えて組み立てたのですが、 振り子がすぐ止まる。 そこで逆に遊びを少し広めにしてみると、振り子が左右に元気よく振れる。 今までの不調の原因はここの遊びの不適当さにあった?
 そのまま鳴らし続けたらゼンマイがほぼほどけ切るまで50分以上鳴り続ける。 最近はゼンマイがほどけ切るはるか手前で止まっていたのに。 こんな事は久しぶりで絶好調。やっと不調の原因にたどり着きました。 経年や温度変化で樹脂が歪んで遊びが小さくなっていたのかも。 ゼンマイの増速比が半端ないので末端のトルクが細り、ちょっとした遊びのまずさが モロに振り子に影響するようです。

 2019.07.01ローラー台でいつものように使用しました。 40分間数えて10分毎の平均が74.6、74.8、74.8、74.8拍/分、 平均74.75(目標74.5)拍で50分は持続、 その後最後の1分ぐらいで急激に落ちて55分で止まりました。 ゼンマイはほぼ戻り切った状態。 購入当初の70拍x60分≒74.75拍x56分なので、 ほぼ新品時の持続時間を維持出来ているようです。

 07.02ローラー台で10分毎の平均が74.6、74.7、74.8、74.8拍/分、平均74.725でした。 55分間持続は変わらず昨日とピッタリ同じ。

 Wittnerは肝心な所の金属部品以外は 中身がほぼプラなので錆びに強いし、 基本注油不要で8年近く持っているし、機械自体は悪くないようですね。 調節の追い込みが甘い?、プラが変形してくる?これらが欠点か。
 あと寒くなってどうなるかですが、いじるポイントはわかったので、 調子悪くなったときにそこの調節で戻るかどうかですね。

 持続時間の情報がどこにもなかったので、 実はとあるメーカーさんに直接聞いてみたのですが、 ちょっと衝撃の事実が。
 ゼンマイをいっぱいまで巻いて70拍/分程度で鳴らした場合の持続時間、 ピアノの上に乗ってるようなサイズのベル付きで27分、ベルなしで56分、 ベルなしの小さいの(wittner taktell super miniとほぼ同サイズ)で29分、だそうです。
 箱が大きいから長時間持続するというわけではないんですね。 メーカーさんのお話なので安全マージンを含んでいるとは思いますが、 その倍はいかないですよね。 ベルを鳴らすためにある程度のトルクを確保しなければいけないらしく、 ベル付きの物は持続時間的に不利になるようです。
 wittner(70拍/分で60分実測)悪くなかった。 wittnerはトルクをギリギリまで落として持続時間に振っていると。 だから振り子の振れがなんか弱弱しかったり、寒くなると遅くなったり、 気温で持続時間が変化したり、クリアランスがシビアだったり…。
 ベルなしの普通サイズ(持続時間に振った2019.03の新製品)で 56分持続するモデルがあることがわかりまして、 これはいいですねー、物欲が…。 更新時かバックアップでもう一台という時はこれ一択。

 2019.07.04遊びを大きくしたら持続時間が長くなったので、 もっと大きくしたらもっと長くなるのではと、欲が出るわけです。 昨日、左右のタイミングの微調節のついでに、 調節ネジを遊びが大きくなる方向に45度程回しました。 結果、テンポが74.8〜75.0ぐらいに速くなりまして、遅くなる方向に錘を移動させました。 持続時間は55分前後でまったく変わりませんでした。
 よく考えてみると、先の状態でゼンマイはほぼほどけ切って止まっていたので、 持続時間でそれ以上の改善は難しいわけです。 振り子に繋がる歯車の左右移動幅は増えたので、 左右のタイミングの揺らぎ幅は増えたようですが、 少し傾ければアジャストできるので、ローラーで使う分には影響ありません。
 方向性としてはゼンマイがほどけ切って止まるギリギリまで遊びを詰めるのが正解。 とりあえずこのまま寒くなるまで使って、持続時間が維持できればそれで良し、 維持できなくなったらまた調節ですね。

 電気式で1/10拍までセットできそう(未確認)なのにPeterson Body Beat Syncがありました。 表示部に小数点以下1桁あり、しかし正規品は非常に高価。 その点セイコーSP-100は現実的な値段だし、 電池も単三2本で30時間持続と好都合、 すでにディスコンですが中古では時々出ているようです。

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