2019.10.14 MSR XGK-II Expedition 着

2019.10.14 MSR XGK-II Expedition 着

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 MSR WLIの排気臭を消せずにいます。 MSRのうるさい方のバーナーの排気臭はどんなものなのか、確認せねばならない。 ということで現行だと、DFとXGK EX。
 DFはデカ過ぎ、構造がnovaと被るし、ポンプはWLIと共用できない。
 XGK EXはバーナー周りの金属が重そう(実際重いかどうかは別として)、 燃料パイプがフレキシブルになってしまった、ゴトク周りの部品点数が多い、 あまりそそられない。
 しかし1つ前のXGKは燃料パイプが分離型唯一の全金属(吹きこぼれに強い)だったり、 丸くて小さくて軽そうだったりで他のモデルとは一線を画す?、 大いにそそられました。

 現行のEXが2005年から、その前のモデルは2004年まで。 この2004年に、 現行のポンプに対応したXGK-II Expedition最終型が極短期間販売されていました (左写真、多分アマゾンから。この写真ようやく日の目を見ました)。 手持ちのWLIとポンプ接続部共通のこのモデルが好ましい。 まあこれより古い型でも針金を少し反らせば問題なく、使えるといえば使えるのですが。

 しかしなかなか出品がなく、ここ数年オクebayなどを眺めていました。 当時コレと買った人は手放さないですよね。 絶対に必要というわけでもなかったし、無理ならそれでもいいし、 その1つ前の型などで妥協はせず、 気長にあくまでも最終型の出品を待っていたら、最近ようやくありました。
 箱なし、付属品あり(特にジェットが重要)、 ボトルなし、ポンプは加圧できないとの事。 これは恐らく樹脂製ポンプカップが痩せているのでしょう、復帰は容易。 展示品で数回点火後放置したような状態でしょうか。 ちと高い気もしました、しかしこれを逃すと次の機会はまた当分先(or ないかも)、 もし1単位でも競り上がったら引こうと思ってましたが、 競うことなく落札。

 ちょっと予習したのですが、
 GKジェット(出荷時)/ホワイトガソリン・無鉛ガソリン・灯油
 Xジェット(付属)/軽油(ディーゼル)・ジェット燃料
 ジェットがこんな分類になってまして、 灯油とガソリンは同じジェットでOK。DF、WLIとは違ってnovaっぽい。 XGK EX用サービスキットにはXGK-II(Expeditionと共通)用のジェットが2種と フレームスプレッダーなども入ってますので、XGK-II以降が維持には有利か。


2019.10.14 XGK着。ほとんど使ってないような状態。 ポンプ圧掛かりますね。クレーム対策でしょうか。 ジェットも2種類問題なし。 シェイカーニードルも組み込まれてる。
 燃料パイプはステンレス一体。 風防、土台はアルミでこれらはリベット止めされてて分離不可。 ゴトクはステンレス。 このゴトクがどんな小さなものでも乗せられる無敵の構造の反面、 炎にさらされて朽ちていくような、そんな絵が見えますが。 暖房時は外しますかね。ゴトクの高さはアルミ風防の淵から4cm上。


 バーナーヘッドと風防はほぼ同心円の位置にありますね。 バーナープレートの凹みが深い。 バーナー上縁の円に歪みなし、ほとんど使われてない。


 ゴトクの断端が切りっ放しで手で触ると痛い状態だったので面取りして磨き倒し、 ツルッツルにしてやりました。ここは電動工具で楽々。


 ポンプに刺さる所のアルミブロックにMSR 0304の刻印あり、2004年3月製という事らしい。 ネット上では他に0204、0404があるとか。
 なんか使うのがもったいないですね。この冬はコレを使い倒します。

 暖房用に簡易なゴトクをワイパーの骨で作ったのですが、 上に乗せる焼き網がほとんど朽ちてまして、乗らないことが判明。 転げ落ちる可能性がありますが、コールマンヒーターをひっくり返して乗せることに。

 XGKって音の割に火力が弱いというネット上の評判なんですが、 ヘッドとゴトクの距離が比較的遠いような。 DFも遠いから火力が弱い代わりにトロ火は効くという話でした。 ゴトクが熱で朽ちない距離に設定してあるのかも。


 2019.10.17 急に寒くなったので初点火。はやりコレ未点火品でした。 プレヒートマットが1度の点火で黒くなりましたので。 プレヒートから点火は特に難しい所はないですね。 自動的に本燃焼に移行します。
 自作ゴトクは赤熱していて、そのうち朽ちそう。 水平部で切って外側に回した方がまだいいですね。
 音はnovaやマナスル121と大差ないような。TVの音は聞こえなくなります。
 硬い燃料パイプのおかげでボトルを持って片手で移動できます。 コレが意外と便利。このモデルの最大のメリットかも。
 1.5h程連続で燃やしましたが、臭いは大丈夫そうです。
 写真ではほぼ青火ですが、本当は赤火混じりです (何枚か撮って一番青いやつを採用)。 自作プレートに変えて高さを追い込んでみるべきか。
 黒いススは舞いません。


 消火はロック解除してパイプを少し抜いて反転、しばらく放置で消えますが、 チョロチョロと燃えている時間が他機種より長いような。


 自作ゴトク切りました。棒は回転せず、ひっくり返してもかろうじて抜けませんが、 強く振ると抜ける程度に固定。 やかんなどは強度的に無理ですが、 焼き網が載せられるようになりました。


 とりあえずnovaの自作バーナープレートで使ってないやつを XGKサイズに曲げ直し。 純正で赤火が多かったのでそれよりやや高めに。


 それがこんな感じで赤火がさらに多い。 プレートの直径が純正(31mm)より小さい(30mm弱)のが良くないのか。 プレートの上に腕を移動させて作り直しました。


 腕をプレートの上に移動させて、プレートの高さはバーナーの淵とほぼ同じ。 でこんな状態。脚を曲げる前に プライヤーで掴んでプレートを上下させ、方向性を探ったのですが、 高くすると青火が増え、高すぎると剥離する感じになるのはNOVAと同じ。 ジェットの穴からバーナーの淵までの距離はNOVAが2mm程長く、 バーナーの直径はNOVAが2mm程小さい、ジェットの穴サイズもNOVAの方が小さい。 こんなでも臭いは出ない。
 純正のプレートはもっと低い位置にあっても赤火は少なかった。 直径と凹み深さが足りないのかも。


 バーナーの上に置くモノが炎にさらされて朽ちて逝くわけですが、 今期はこのような物を導入してみました。 七輪の巣とかサナとか目皿とか火皿とか丸巣とかいうそうです。 本来は七輪の底近くに浮かせて置いて、火の着いた炭を七輪内に保持しつつ、 空気を効率よく循環させ、 燃え尽きて出た灰は七厘の底に落とす為の物。 これは鋳物の鉄ですが、素焼きの物もあるそうです。 素焼きの物は割れるらしく、その置き換えの為の鋳鉄製ということらしい。 サイズもいろいろですが、購入品は実測210g、φ10.5cm(最大部分)、 WLIに乗るのでサイズは十分。

 コレのすごい所は上下の物が赤熱しているのにほとんど赤くならない。 炭火相手の物なので耐久性は期待できそう。 A面B面どちらを上にするかですが、 炭だったらB面が上だと思います。 コールマンヒーターを乗せるときは淵の引っ掛かりが有利なのでA面を上にしています。
 台所のガスコンロのゴトクの直径を小さくするのにも使えます。 鋳物の鉄というのがそそられますねー。

 XGKに付いて来た2004年ポンプですが、
 コントロールバルブ根元のOリングはゆるくなっていて、初回使用時に漏れてきたので 内径3.8、線径1.9の汎用FKM製Oリングに入れ替え。 圧がかからない、というのはここから漏れていたという事だったみたいです。
 t0.5FKMゴムシートから内径2.8、外径5.0のパッキンを抜いてコントロールバルブ先に追加。 ボトルに圧をかけて一晩放置しましたが漏れなし。圧も維持されたまま。 内径2.8だとたまにずっこけてポンプ内部にひっかかるので、 内径2.5、外径5.0で作り直して様子見。
 ここのパッキンサイズは非常に難しく、サイズ変えて何個作ったことか。 外径5.0だとバルブ穴の中に落ち込み、密閉性が低下することがある、 内径2.8以下だと燃料の流量が不足することがある、の2点が判明。 外径5.5、内径3.2で問題ないことが分かりました。 WLIのポンプは内径3.2外径5.0で問題ないのでそのままにしてあります。 この辺に年代差、個体差があるのかも。

 ボトルとの接触部分の赤いパッキンを内径23.7線径3.5のFKM製汎用Oリングに交換。 MSRの各部Oリング、パッキンは汎用品が使われており、入手性が非常に良いです。 ちなみにnovaは専用品みたいで、汎用品の中から似たようなサイズが見つからない。 →ありました。線径2.0で探すから見つからない。線径1.9の汎用品が使えます。

 一応圧は掛かるのですが、ポンピングが異常に硬い割りに圧が十分上がらないみたいで、 ストーブの調子悪い(WLI付属ポンプだと問題なし)のでポンプカップを革で自作し入れ替え。 ポンピングが軽くなり、圧もしっかり掛かり絶好調になりました。 ポンプが2つあると原因の切り分けが楽です。
 ポンプカップは都合4つ作ったのですが、 素材は柔らかめの革を使った方が、加圧した時の拡張性が良く好都合でした。 硬い革はびしっと型がついて見た目はいいのですが、気密性に劣り、圧が上がらない。 どっちがいいのか今回素材をいろいろ試してみた結論。 最初の型付けでしわが寄った時は、 ミンクオイルなどを革に塗った後であっても 再び水に漬けて十分浸水させてから型に入れればOK、何度でも修正できます。

 ポンプのシリンダに指を突っ込むと分かるのですが、 手前に比べて奥が若干狭くなってます。 これプラの弊害で、手前と奥で完全に同じサイズにすると型から抜けなくなるから。 普通ピストンを押し込んで安置するので、 ポンプカップは狭い所で放置されることになり、 そのサイズに馴染んでしまい、 手前側に引かれた時に気密性が低下しがち。 純正のゴムカップが壁面にまったく接しない程に縮んだのも そういう構造によるものですね。

 七輪の巣の上にやかんを載せるとなると、ゴトクに相応な強度が要求されまして、 素材を探したのですが、純正はφ3.2ぐらいで、 汎用の丸棒は1mm単位、3.0mmしか選べません。 素材はステンレスと、チタンが見付かりまして、 融点(1500、1600℃)で100℃程チタンが有利。
 チタンも最近は安くなっており250mm5本でコミコミ310円ぐらい。 55とか64チタン合金は加工が難しいそうですが、 この安いチタンはほぼ純チタン?ならそこまででもないそうで、 アリババでポチリました。
 構造は先に作った単純コの字でいくか(全長220mmなので切断作業が増える)、 250mmフルに生かして純正みたいな形にするか(交差部の加工が難)、 自作現状のL字でいくか(抜けるし、丸棒だと回転して勝手に動く)、 3次元構造でいくか(ばらした時かさばる)、思案中、まあ輸送に3週間ぐらいかかるし、 現物の純チタンの加工難易度でおのずと決まりますかね。

 2019.11.15 チタン棒未着。

 2019.12.02 MSRポンプはそのままでは中華ボトルに入りません(NOVAはそのままでOK)。 ねじ山の下にある突起4箇所を少し削る必要あり。WLIのポンプもそういう仕様でした。
 どのくらい削ったらいいか当たりをつけるべく、無理やりねじ込んでいたら、 白い燃料吸い上げパイプがぽろっと取れまして、緩んでいたみたい。 ここが緩んでいると、燃料が半分ぐらいまで減ってくるとエアが抜けて、 ボトル内圧力低下し火力が上がらなくなるんですが…、まさにそれ。

 バーナープレートはnovaで使っていた物の使い回しでしたが、 早くも消耗してきたので腕を下に配置して作り直し。 凹みが浅いと炎が横方向に広がるので、 トラスネジの頭を下げてプレートの深さ(高さ)を稼ぐのと、 使っていたらプレートが下がる方向だったので、下がり難いよう腕を下に変更。 プレートの上淵とバーナーカップの上淵を面一に配置して、炎の広がりはいい感じ。 中心部は青火、先端が黄色になりますが、臭いなく何時間でもOK。

 風防と下皿がリベット止めで、その間に樹脂?のワッシャーが入っていたのですが、 いつの間にか2個とも燃えたのか脱落。 φ2mmアルミ針金を少しずつつぶして隙間に入るように現物合せ、 1.4mmぐらいにつぶした所で差し込めたので、ラジペンで締めました。 底にも同じワッシャーが入っていますが今の所脱落なし。

 燃料消費量と火力はNOVAよりかなり大、音はあまり変わらない、火力調節はほぼできない。 NOVAだけだと厳しかった寒さにも今の所XGKのみでいけてます。

 燃料吸い上げチューブの外径が3.2mmぐらいで、 先端のフィルタが詰まったらチューブごと交換する事になっているのですが、 チューブだけ取り寄せるのも送料が無駄だし、 高価なメンテキットを買う気にもなれず。 NOVAと同じく外側にパイプを刺してその中にメラミンスポンジを抜いたものを仕込もうかと。 周囲に適当な素材がなく、Aliexで探したらPTFE(フッソ系)で耐温度、 耐薬品性の申し分ない物がありまして、内径3.0、外径4.0、1mで100円前後。 透明と白とあるのですが、それぞれを別のセラーに発注、 汚れ具合の見える透明が理想ですが、どっちか先に来た方で差し替えようかと。

 2019.12.09 チタンφ3丸棒着。48日前後かかりました。もう来ないかと思ってました。 Yanwen Economic Air Mail これが遅延の原因ではないかと。 今後はなるべくここ以外の配送業者を使っている所から買う事にします。 加熱したので一番右のが色が変わってます。 断端を磨いてみたりもしたのですがチタンで間違いないと思います。 磁石にはつきません。これをどうやって曲げたらいいのか…。

 12.10 曲げました。万力に挟んで指で力技。 最初の1本目は曲げ部分が想定していたRより大きくなり、 素材が硬いのでそれ以上小さく出来ない事が判明。 そのせいで1辺が短くなり、修正していたら折れました。 1回で決めないとダメ。その破片で練習して、 次の2本はうまくいきました。 赤熱中は多少柔らかくなりますが、赤熱中に曲げるのは無理。 加熱冷却した場合は硬くも柔らかくもならず、 特性は変わらないみたいでした。 切断は鑢で1周切れ目を入れてから折りました。 いやになる程硬い。
 高さは純正比で10mm下げて、アルミ風防の上縁から30mm。 ヒートパイプとゴトク上平面とのクリアランスは5mm。

 ゴトクをチタンにしただけで、他は何もいじってないのに炎が青くなった。ナゼ?
 ジェットが詰まり気味だったようで、シャカシャカしたら戻りました。

 チタンは炎にさらされると薄皮がはがれるように痩せていくようです。

 革のポンプカップなのですが、最初に作ったものは問題なし。 その後作った4つが、いずれも圧が最初の1つ程にはあがらない、 10ストロークの所を30〜50ストロークぐらい。 ストロークの手前側のエアをつかめていない。 カップのリップがシリンダー手前の広い部分を追従できてない。
 革の弾力だけで追従させるのは難しいようなので、 何か補助になるような物を考えていたのですが、簡単な方法から試した所、 短期的にはうまく機能しました。
 素材はクリアファイル、5mm幅の帯状に切って、カップの内側に滑り込ませる。 長さはセットした状態で少し重なる程度に適当。 これでストローク手前からエアをつかんでくれるようになりました。脱落もなし。 純正のゴムカップがやせた時もこれで延命できるかも?
 裏打ちが一周だと弱かったので、3周分ぐらいの長いのに交換し、長期安定してます。

 2019.12.26 PTFEチューブが来たので燃料吸い上げチューブの先端を差し替えてみました。 純正フィルタはホッチキスで白チューブに固定してあるのですが、 ホッチキスの針は白チューブには片方しか貫通させてありません。 そういう仕様のようです。ホッチキスを取り除いたり、 白チューブから純正フィルタを抜くのは特に難しい所なし。
 まず白チューブの断端が斜めっていたので直角に切って修正、 実測φ3.2の白いチューブにφ3.0の透明なPTFEをかぶせたのですが、きつからず緩からずで サイズはちょうどいい感じ。適当な所でPTFEを切って、 NOVA用に作ったt5.0φ5.0で切り出したメラミンスポンジフィルタを詰めました。
 3時間ほど燃やしてみましたが、特にネガ要素はないようです。 むしろ抵抗が減ったのか、移動時失火するような現象が見られなくなった。 ←まだ見られる。 あとは、 燃料使い切って消えた後にどの程度の燃料が残っているか。 消火後放置してメラミンフィルタが抜けてこないか。 この辺を観察してみます。
 2020.01.09 燃やし切った後の燃料の残りは特に多いとは感じないですが、 純正フィルタのほうが少なかったような気はします。 手持ちのポンプ2つ共にフィルタ交換したので厳密な比較が出来ない。
 消火後寒い所に放置してボトル内が陰圧になった時に、 メラミンフィルタが抜ける懸念があったのですが、抜けませんでした。 被せたチューブがNOVAのより細い所に、NOVAサイズで抜いたメラミンフィルタを 入れたので、若干キツめになっているのが功を奏しているのかと思われます。

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