マナスル121トラブル

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 16歳のときに購入したマナスル121でしたが、 一度バーナーヘッドのネジ部分からガス漏れしたので ばらして液体ガスケットを塗り修理した事がありました。 それ以外は ほぼノーメンテの部品交換なしで調子良く燃えていました。 この冬は週末に外でコーヒーを入れるのに使っていて 稼働率が上がっていました。 先日子供のソフトボールの応援の時に みぞれの降る中で暖をとろうと持って行って 全開で使おうとしたのですが、すぐに火力が落ちるようになっていました。 それでも数分おきに追加ポンピングをしつつ1時間ほど 全開で燃やしたところ、ポンプが加圧しにくくなっているのに気付きました。 どこかから圧漏れしているのかと思い、まずポンプを抜いたところ 革パッキンが割れました。

 ヒビが入って圧が逃げていたため加圧しにくかったようです。 引き抜きのストレスでヒビの所から割れたようで、破片は出口付近にありました。 点火出来なくなるトラブルは初めてです。 調べたところパッキンは630円で部品として買えますが、 送料もかかるし、ここ数年逆流防止弁も灯油が少し逆流しているので これがだめになったときに一緒に注文したいし、バルブ交換用の 専用工具も作っとかないと。それまでの繋ぎでいいので何とか自作出来ないかと 再びネットで調べてみたところホエーブスの革パッキンを自作しているサイトを 見付けました。 旋盤で金型を作ってパッキンを量産しているようです。すばらしい。



 自分には旋盤もないのでロシアの鉛筆の如く既製品の流用を考えました。 パッキンは外径14mm、厚さ1.5mm、内径11mmでしたので、 内径14mmと外径11mmのパイプ、1.5mm厚の革を探し回りました。 内径14mmのパイプは検尿スピッツ。 外径11mmのパイプはボールペンの軸。 1.5mm厚の革は昔々秋葉原の靴屋で革のはぎれの袋詰めを100円で購入していて、 その中にありました。革のサンプルを送ってくれるショップもあるので、 そのサンプルで作ろうかとも思ったのですが(無論量産する時はそこから 製品を買うという事で)、それはしないで済みました。



 革を加工した事がなく指標もないので手探りで方法を考えまして、
型に入れる前に革を水に(漬けるor漬けない)
型に入れたら(自然乾燥or強制乾燥)させる
型に入れた状態でいらない部分を切断する
型から出して中心に穴を開ける。
 という段取りを考え、最初は水に漬けて自然乾燥でやってみました。 正式にはウェットフォーミングというらしく、強制乾燥させたほうが きっちり型がつきますが乾燥の加減がわかりませんし耐久性が劣るような気がします。 水に入れた革が沈んだところで引き上げ、型に入れて一晩置き、 完全に乾燥させ、いらない部分をカッターで切断しました。 型から出したところ少し柔らかい感じですが、型は定着していて 簡単には戻らないようです。



 真ん中にパンチで6mmの穴を開けないといけないのですが、 手持ちのパンチは最大径4.8mmしかありません。 半径で1.2mmも小さいとパッキンを保持するネジに入っていきませんので 穴をヤスリや鉛筆で広げ、ネジにラップをかぶせてようやく入れ込みました。 ポンプを組み立て、革にミンクオイルをたっぷり塗り、シリンダーに入れてみました。 サイズはぴったりです。初めポンプが少し重い感じもしましたが、 そのまま置いて馴染ませ、 シリンダーにもミンクオイルを塗ったところだいぶ軽くなり、 漏れもなく圧がかかるようになりました。 とりあえず成功ですが、何年もつかは未知です。 やはりポンプのないoptimus123Rは偉大だったという事でしょうか。



 試しに点火してみました。圧はきちんとかかるようになったのですが、 やはり全開にしてもすぐに火力が落ちます。パッキンから漏れているとしか思えず 本体をゆすったところ燃料注入口から激しく灯油が漏れてきました。 こちらのパッキンはカチカチに硬化しており、取り外そうとしたらばらばらに なりました。直径20mm弱、厚さ3mm弱でしょうか。中心に8mm強の穴が開いています。 以前ビアレッティモカエクスプレスを空焚きしてパッキンがだめになったときに 購入したシリコン板の残りがあるので、それで作る事にしました。 シリコンなら耐薬品性、耐温度性、耐久性申し分ないと思います。高いけど。



 直径20mmは1円玉と同じなので、それを参考にカッターで切り抜き、 8mmは穴あけポンチが要りますので、ここはあきらめて6mmと合わせて購入しました。 やはりポンチは楽ですね。あんなに苦労した穴あけが一瞬で出来てしまいます。 やや大きめに切り出し、ドリルに取り付けカッターを当てて正確に目的の外径にしました。
 センターキャップのパッキンも以前から漏れ気味だったのでついでに作りました。 こちらは外径12mmなのでさらに12mmのポンチも購入し、素材は1mm厚のエラストマ を2枚重ねで丁度いいようです。加圧してみたところ漏れはありませんでした。

 これでまたしばらくはノーメンテで使えるでしょうか。
 しばらく問題なかったのですが、シリコンゴムで作ったパッキンが膨張してきました。 調べたところシリコンゴムに灯油はだめでした。取り外したところ簡単に割れましたので エラストマで作り直しました。念の為エラストマと灯油で調べたのですが、 こちらはわかりませんでした。しばらく経過を見ます。
 エラストマもだんだん膨張してきてだめでした。 耐灯油のパッキンゴムはフッ素ゴム(FKMと表記するらしい)が最高なのだそうですが、 非常に高価。ニトリルゴム(NBR)は耐灯油性が高く入手も比較的容易で安価。 ネオプレンゴム(CR)は耐油性は中程度だが非常に入手しやすい。 という事がわかりホームセンターでゴム板を見て回ったのですが、 天然ゴムとエラストマしかありませんでした。しかし実は意外な所、 水道のパッキンコーナーに厚み、サイズいろいろありました。 FKMは見つけられませんでしたがNBR1.5mm厚(残念ながら2mm厚はなかった)の大きめの パッキンが2つで100円でしたので これを購入し、あらかじめ購入していた19mmと8mmのパンチで抜いて灯油注入口の パッキンを作り、もう一つのパッキンでセンターキャップのパッキンを作り パッキンの問題は解決しました。。

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