プリムス P-113

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 先日阿蘇の火口でコーヒーをいれたのですが、 コーヒーを飲むのが目的ではなく、この時は別に重要な任務があり、 しかも午後から雨が降るので短時間で済ませたく、 EPIのBPSというガスストーブを持って行きました。 火口は遮る物が無く風が結構あったのですがガスストーブなのですぐに着火し、 多少時間はかかりましたが無事いれる事が出来たのでした。 風にあおられる炎を見ながら、これがもし灯油だったらプレヒートが大変かも…。 コールマンの90g缶を入手し装備を小型化していましたし、 ガスも結構いいなと見直す機会となったのでした。
 ドリップは冷めてしまうのでモカエキスプレスを使ってます。

 最近のガス器具はほとんど把握してなかったのでちょっと調べてみました。 EPIならREVOで決まりですが、 高価なのとEPIは1つあるのでPRIMUSの文化に触れてみたい。 こちらはP-113、P-131、P-111、P-121など小型軽量な物の種類も豊富。 この中でつまみまで金属製で点火装置が付いていてチタンを使ってないのに 軽量でゴトクも小さめなP-113がいいかなと。 販売価格は5000円ほどですね。小さいのに高い。ではオークションはと 過去の落札価格を調べてみると新品で4500円ほど、中古で3000円弱ぐらいでした。 開催中のP-113を見ていると、開封済み未着火の物が3200円で残り10分でしたので 3300で入れてみたところ落とせてしまいました。定型外送料200円、合計3500円で 無事送られてきました。

 物は確かに未着火で全く焼けていませんでした。 火力調節つまみは閉〜全開まで2回転。ベースはアルミでガス缶との接続ネジは真鍮、 火口とゴトクはステンレス。 小さなネジで組み立てられていて繊細な感じです。 点火装置は縦置きされ、うまくまとめてあります。 これならわざわざ外す必要もないかと。 点火装置のつまみにゴムが貼ってあったりと芸が細かいです。 そのうちピエゾ圧電素子が何処に仕込まれているかわからなくなっていくんでしょうかね。
 EPIのBPSはベースは肉抜きもない真鍮に火口とゴトクは鉄にメッキで、 火口をベースにねじ込んで火口でゴトクも押さえるというシンプルで合理的な構造で、 ベースと缶の間にゴムを挟むのはゴトクからの熱が缶に伝わらないように という配慮でしょうか。やはり思想の違いを感じますね。
 早速着火してみました。一発で着火して何の苦労もなく良く燃えます。 ゴトクの最小半径は小さく、モカエキスプレスやシェラカップも問題なく安定して 乗せられます。

 BPSはそのままではゴトクの最小半径がシェラカップが乗らないほどに大きいのですが、 4本のゴトクを同じ方向に120度ほど回転させるとP-113と同程度まで 小さくなります。自分のBPSはプラカバーとベースの真鍮を削って、そのポイントでも ゴトクの爪が引っかかるように加工しています。 これに気付いた時はBPSの設計に非常に感心したものです。
 左の写真の上がゴトクを通常通りにセットした状態で、 下の写真が4本のゴトクを時計回りに120度ほど回して、 隣のゴトクの根元に接するようにセットした状態です。 ゴトクの半径が小さくなっているのがわかると思います。

 P-113の火力は必要十分ですが、とろ火がやや難しい。つまみの直径も小さいし、 軸も細いからだと思いますが、指を離すと火力が変わることもあるほどに コントロールがシビアです (2009.08.06追記 バルブ全開閉を繰り返して馴染ませるとこの症状は出なくなります。 しばらく使っているとまた症状が出るので、その時は再びバルブ全開閉を数回繰り返せばOK)。
 とろ火から全開までバルブ開度約30〜45度しかありません。 あと700度ほど回るのですが火力は変化しません。 非常にピーキーなセッティングとなっています。 とろ火に追い込めないわけではないのですが、この点が本当に残念です。 これがせめて360度で緩やかに変化したら最高なのですが…。 ここはBPSの方が圧倒的にコントロールしやすいです。
 着火装置を使うと必要以上にバルブを開け過ぎて大きな炎が立ち上がる事が多いです。 ライターの火を近付けてからガスを出して着火すればいいのですが。 最大火力は恐ろしいほどに炎が立ち上がりますので十分かと。 耐風性は非常に高いようです。室外からの扇風機の中風の影響をほとんど受けません。 BPSだと同じ条件で炎が結構流れるのですが、これは良いです。

 燃料はコールマンの90g、スノピの110g、EPIの250g、 詰め替え君のアダプターにカセットガスで問題なく使用できました。 ただスノピの缶の時は少し強めにねじ込まないとガスが出てこない事があります。 プリムスはねじ込んでいくとまずOリングでガス出口を密閉し、さらにねじ込むと突起が 缶のバルブを押すようになっているので缶の脱着でガスが漏れません。 これはすごいです。 その代わり缶との相性がBPSよりシビアになっているようです。
 BPSはバルブを押す突起がプリムスより長目のため、缶にねじ込んでいくと ガスがシューッと漏れ始め、さらにねじ込むと密閉される ので、缶との相性は比較的ルーズですし、ガスが漏れなくなるまでねじ込めばよいので、 ねじ込みすぎてねじ山を痛めることがありません。 この辺にも二社の思想の違いが現れていて面白いですね。

 ゴトクはカチャカチャと軽く動く構造ですが、抜ける事はありません。 BPSも軽く動くのですが、抜ける事があって袋の中でばらばらになっていたりします。

 あまり重い物は乗せられませんが、時間がないときの戸外でコーヒーならこれは良いです。



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