革ツナギ製作

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 今使っているのはF-ONEの31500円の物です。 99年頃に748SPSで走行会に参加するために購入しました。 当時は66kg体重があり、身長体重をF-ONEのご主人に伝えサイズを問い合わせたところ、 LLであるとの回答でしたので それに従いました。縦方向の胴体はやや余りますが手足は丁度よい。 横方向は当時やや余るが脊髄パットを背負えば丁度よいぐらいだったような気がします。 脱いだり着たりはそんなに苦痛ではありませんでした。 自転車を再開して現在体重は54kg前後で落ち着いています。縦方向は変わりませんが、 横方向がかなり余るようになっており、 実際転倒したときにインナーと皮膚がこすれて擦過傷が出来たり、 膝の打撲で膝関節に血液が溜まったりして、 さすがにこれではいかんと思うようになりました。 F-ONEの縫製はしっかりしていて未だほつれはなく、 革も厚いので転倒で表面が削れた所はありますが穴は開いていません。さすがF-ONE。

 九州にツナギがオーダーできる所を見つけられませんで、 つるしということになるとサイズの設定の細かいHYODかタイチの高いやつか クシタニの高いやつになるのですが、デザインは多少いじれるのに サイズがツルシでは本末転倒ではないかと思い至り、 オーダーとそんなに価格も変わりませんし、 ここは多少無理してでもオーダーで行きたい所です。

 探し回ったらプライドワンに行き当たりました。 各部を自分で測定し、それによる仮縫いが送られてきて、 各部の収まり具合を写真に撮って送り返すと修正されてツナギが完成するという システムでした。通販でオーダーが完結するわけです。しかもお店が 義姉夫婦の家に近い。しかも今年2008年の盆休みは一家で遊びに行くことになった。 これは直接行って採寸してもらうしかないでしょう。 お店もお盆休みだとアウトですが…半日ぐらい自分のために開けてくれないだろうか…。 メールで聞いたらお盆中も大丈夫ということでした。 お盆休みに上京してツナギをオーダーという方は良くあるそうです。 お土産に地元のお茶を持っていく予定です。 その仮縫いに従ってF-ONEも修正してもらったりなんかして(それはちょっとまずいか…)。 ついでに転んで穴を開けたペアスロープの革ジャンの修理も値段次第ではお願いしたい (こちらはかなり現実的)。

 デザインは数年来暖めてあるので悩みなし。 わかる人にはイニシャルに見えて、わからない人にはデザインに見えるという。 シャーリングは脇、腰、膝、ジャージは脇、股、膝裏のともにプライドワンデフォ。
 パンチングは暑い時はあってもなくても暑いけど、 寒い時はあると辛いけどなければなんとかしのげるので一切入れない。 走行会は春秋だし、夏は主に早朝と夕方走るし、 峠までの往復時は暑ければチャックを開ければいいし。 革の強度も落としたくないし。実際パンチング革パンは真夏にしか履く気にならないので。
 コブもなし。重くなるしツナギの上に羽織れなくなるし、コンパクトに収納できないので。 インナー脱着式はデフォ。
 コブなし、パンチングなし、色は白黒でシンプルな物でいくらぐらいか聞いてみたら、 ツーリングタイプで17.5万(税別)、レーシングタイプで16.5万(税別)とのことでした。 ツーリングタイプは一生物でレーシングタイプは消耗品ということで こういう値付けなのだそうです。ツーリングタイプをチョイスします。

 17日に行きます宣言をメールで送ったら、 採寸よりシーチングを着たところを重視しておられるとの事で、 そのときまでにシーチングを作ってくれる というお返事を11日にいただきました。 急いで自分で各部分を測りまして、 測るたびに1〜2cmは平気で違うので難しかったですが。 データを送ったのが11日夕方、あと6日しかないけど…。 急がせることになってしまって申し訳ないのですが、 シーチングを着たところを見てもらえればまず確実に出来るでしょう。 秋の走行会には間に合いそうです。

 使用目的は DUCATI 748SPS で峠とサーキット走行会。 SUZUKI Goose350 で峠と8の字練習。 ツーリングではほとんど使わないか、 使っても走りっぱなしなので降りた時の事はあまり考えない方向で。

 2008年8月17日、予定通りプライドワン行ってきました。 10時と伝えていたのですが、少し早く9時45分頃着きました。 店というより工房という雰囲気で一軒家の玄関に看板がかけてありましたので わかりました。駐車場はその奥にありました。 大きな黒い犬と奥様に出迎えられまして、応接室へ通されました。 部屋にはFORZA時代の原田哲也の写真が掲げてありました。 あとシュワンツと思われるパネル。 修理待ちのプライドワンのツナギ3着、 修正待ちの他メーカーの古いツナギ1着などが架けてありました。

 少し待ちましてご主人が登場しました。 職人さんというと偏屈だったりとっつき難かったりというのを想像するのですが、 普通のお兄さんという感じで、気さくな方でした。 シーチングは完成しており、 アンダーウエアは着込んで行ったのでその上に 脊椎パットを装備し、 シーチングを着まして、 隙間に肩パットと肘パットを仕込み、全チャックを閉めてから 微調節に入ります。 この微調節はホッチキスでシーチングの素材を詰めていく作業で、 これを家で自分でするのは難しいと感じました。 ホッチキスは主に脚回りの詰め、前丈の詰め、に使われていたと思います。 その後椅子の上でライポジを取って写真を撮っていました。 用途は峠と走行会で降りる事はほとんどないので 前丈は詰め気味にしてもらいました。 全体的にきつい所がない事を確認し、調節も終了しました。 初めてのオーダーツナギなので、きつめでとか緩めでとかの 注文はしませんでした。まずは素の状態を見てみないとという事で すべてお任せ。

 デザインは既に決めていて、 HYODのHPより作成した物を取り込んでUSBメモリで持っていったので、 ここには時間はかかりませんでしたが、 普段はここで一番時間がかかるとの事でした。 使う色は白と黒のみだったのですが、白は普通の白と オフホワイトという少しクリーム色っぽい白があり、 どちらもそれだけ見れば白く見えるのですが、ここで悩みました。 オフホワイトだと汚れが目立たず目に優しい反面夜間の視認性に劣るように思います。 普通の白はF-ONEのとダブるし、汚れが目立つし目に刺さるけど 染めQや白マジックなどでの補修も容易だし夜間や遠方からの視認性がいい。 その場ではオフホワイト優勢だったのですが、補修と視認性から 普通の白が今現在は優勢です。結局普通の白でいくことにしました。
 パンチングなし、コブなしはそのまま。裾がブーツに入るのもそのまま変更なし。 納期は10月中旬ぐらいの走行会に間に合えばと希望したのですが、 2ヶ月ぐらい先なのでまず大丈夫という事でした。 工房を後にしたのは打ち合わせ開始から40分後ぐらいでした。
 採寸よりはシーチングの合わせの方が重要で、 1回しか行けないならシーチング、2回行けるなら採寸も。 という印象でした。
 完成が楽しみです。

 9月1日、HYODのHPで作ったデザインイメージを基に PRIDE1の基本ベースに沿ったデザイン画が送られてきました。 自分のデザインよりカッコよくなってますねー。 PRIDE1のロゴは黒、白、青が使われているのですが、 偶然にもツナギの黒白に溶け込んで主張し過ぎず、いい感じです。 送られてきたデザイン画の大腿部にはロゴが入ってないのですが、 この部分はベースが白なのでここにもロゴを入れると目立ちすぎる のでそのまま入れないでいくことにしました。 背中に名前は入れない、コブ無し、パンチング無しを再度確認し、 デザインOKのメールを送りました。

 その後急激な景気後退のせいかPride1さんが取引をしていた革屋さんが倒産し、 革の入手に時間を要し納期が遅れていたそうなのですが、


 2008年11月19日ようやくツナギが到着しました。 持った感じ、軽い、小さい、カッコイイです。 黒白の革に糸は黄色を使ってアクセントになってますね。 さりげなく748の黄色に通じます。 F-ONEに黒い革にオレンジの糸というのがあり、なかなか良かったのですが。 胸のジッパーの後ろのべろが下の方にしかないのは前傾時の突っ張り感を減らすため? 暑い時に開けて走ると換気効率が良さそう。 いろいろなノウハウが詰まっているようです。 あとデフォですが季肋部にエアインテークがついています。 チャックはYKKで 手首と足首の所はタブがプラプラしないちょっといい物が付いてます。

 仕事が終わってから着てみました。 足を通すのがきついですが、上半身はそれよりは楽に入りました。 脊椎パット分余裕があるのだと思います。 着る時はコンビニ袋を足に被せてから通すと引っかからずに着れます。 脱ぐのは腕を後ろに回してから肩を抜けば特に問題ありません。 着てしまえばまさに感動的にピッタリでした。 脱皮した革が身体に均等に張り付くような感じで、 転倒しても擦過傷は出来ないでしょう。 それでも屈伸運動が出来ます。 これがオーダースーツというものなんですねー。 この味を知ってしまうとツルシには戻れません。 身体のラインがモロに出ますが、 減量した甲斐があったというものです。少しも太れません。 膝、肘、肩のカップの位置も微調節の必要はありませんでした。 職人技すごいです。

 時期的に路面コンディションはあまりよくありませんが、 8の字と峠へ行ってきました。 まず8の字は上半身のポジションが前傾で限定され、 腕が突っ張らない(突っ張れない)ために やりやすく感じました。今まで以上にバイクが寝ている感じがします。 膝内側は痛くなりませんでした。 革が新しいせいか尻も膝も滑ります(これはしばらく使っていたら滑らなくなりました)。
 峠も路面が湿気ており、紅葉客の車も多かったのですが、 とりあえずGooseで膝擦りしてきました。スライダーの場所のせいか 真ん中上側しか接地してませんねー。前後方向はこれでいいと思われるので もっと上にセットしたほうがいいのかも。 コンディションのいい時に748で擦ってみてからですが。 股は今まで以上にストレスなく開けます。 パンチングは一切入れなかったのですが、それでも結構通気性がいいです。 上にジャンバーを羽織っていたのですがそれでも結構風が入ってきて、スースーします。 今までより広いジャージ部分の素材によるのでしょうか。 F-ONEでは膝裏しかジャージがなかったですからね。

 748で峠へ行こうとしたのですが、丁度紅葉渋滞と重なりUターンせざるを得ませんでした。 それでも峠への移動で唯一擦れるコーナーで擦ってみたのですが、やはり真ん中上側 のみが接地していました。

 その後も週末に乗れる天気の時にはツナギで乗ってます。 Gooseに乗っているときに左のふくらはぎが攣ることが良くありまして、 寒さで血行が悪いのと、ステップが高く膝が過剰に屈曲するせいかと思っていたのですが、 ふくらはぎに変に力が入っていたのが原因で、力を抜くようにすると攣らなくなりました。 先日Gooseで福岡市まで片道100kmほど走行しZRX1200DAEGの試乗に行ってきましたが、 足は攣りませんでしたので、攣りの問題は解決したと考えていいようです。 結局寒い時期の峠では膝のスライダーの上側しか接地させられませんでした。 それでも最初の頃よりは下に伸びて来てますが、春の走行会でどこまで削れるかですね。 2009年2月14、15日は4月並の陽気で路面コンディションも非常によくなっていました。 スライダーの接地位置もさらに下に伸び、コンディションさえよくなれば自然と 全面が擦れそうです。

 このツナギは大変気に入りました。もうこれ無しには乗れないですよ。

 3月のSPA直入走行会にて、このツナギでサーキット初走行してきました。 公道では装着しないDAINESEの脊椎パットも背負い、上半身もピッタリに。 気温2〜3℃の中2時間走行しましたが、心底パンチング入れなくて良かったと思いました。


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