汎用品流用でNOVAバーナープレート自作

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 2015.02.11 (燃料はすべて灯油です) NOVAオリジナルのバーナープレートはφ30.7、0.6tぐらい。 理想は1.5tぐらいのステンレス板から削り出して作る、無理。 または1.5tぐらいの円板に脚3本を溶接、溶接がハードル高い。 そこで汎用品の流用をずーっと考えていて、 φ30のステンレスや真鍮の円盤を購入し、手元に置いてイメージを膨らませていたのですが、 ようやく練り終わりました。

 プレートの代わりに使うのは汎用品のワッシャーで、φ30か32。 123Rは31。 しかしプリムスの液燃のはもっとずっと小さい。 ホエーブス725のも(ちょっと特殊)小さめ。 なので30.7より小さい方向の品を採用、30で。

 内側の穴にステーを通し、ボルトナットで止める構造で、 内径が5.5だとボルトM3、4.5だとボルトM2.6でいけたのですが、 WLIの同部位がM5なので本来はM5でいきたいところ。 しかしM5だとワッシャー内径7.5の特殊サイズ(見当たらない)なので内径6.5でM4が妥協点。

 厚は123Rのが1.0tぐらいですが、素材不明、真鍮?。 ここは変形して欲しくない所ですが、あまり厚くしても重いし加工が難しくなる。 山田の中華鍋が1.2から1.6だったはず。 NOVAの整形に使っている円形スプーンが1.5。 コレを眺めていて、まあこれぐらいあれば大丈夫かなという印象、1.5で。

 ボルト長はナット高が3.2、ステーが0.8x2、板厚が1.5で計6.3、 ワッシャー2枚入れても8mmでOK ワイパーの骨は厚0.8で幅2.5。ここはいくらでも替えがあるので切れたら交換で。

 円板の中心穴にワイパー骨を3本引っ掛けてボルトで固定。 その3本の他端をバーナーヘッドの淵に引っ掛けて、円板を保持する。 ボルトはスムーズな+ネジ面を炎側でいいと思う。 ワイパー骨は円盤の上か下かでプレートの高さが変わる。 円板は平面+トラス頭ボルトの突出でいけるのか、ドーム状に変形させた方がいいのか、 は実際使って検討という事で。

 ということで近所のホムセンに行ってみました。 脳内で検討して上述の案ともう一つの第2候補に絞っていたのですが、 部材は完全には揃わず、上述の案の分だけが手に入りました。

 材料は、
 内径6.5外径30厚1.5のステンレスワッシャー(近所のホムセンで113円/4個、1個28.25円)
 M4長8のステンレスボルト、ナット、ワッシャー(近所のホムセンで185円/各1個ずつの5組、1組37円)
 ワイパーの骨(車のワイパー交換時に保存済み。現在0.8tと1.0tが手元にあり)
 1個当たり66円といった所。

 とりあえず部品は素の状態で、 ステーは上、プレートがより下がる状態で組み立て、 テスト運用してみました。

 オリジナルより赤火が少し多い気がしますが臭いはない。 燃焼中にプレートを持ち上げたり天地返したりして方向性を探ったのですが、 解決には至らず、もっと下?。
 プレートの淵でガスが内側に巻くように流れるようで、 それが赤火の原因のようです。 やはりドーム状に変形させて、淵の流れを良くするべきか。
 構造的に中心穴周辺が完全には塞がれておらず、 ここからガスが漏れる事が予想され、実際漏れているのですが、 ほのかに青火で燃焼しており、特に悪さはしておらず、 見た目も面白いので塞がずにおきます。

 程よく焼きなまされた所で一旦ばらし、 いつものクランプや、23mmのソケット、丸いスプーンなどを使い、 プレートをドーム状に変形させました。 変形量は適当でいい(novaのほぼ平面からドラゴンフライの深い凹まで様々)のですが、 センター出しは時間を掛けてきっちりしたほうがいいです。 炎が片寄る原因になりますし、 後で修正するのは大変ですので。
 ステーをプレートの上に配して組み立てたのですが、 プレートの位置が下過ぎてバーナー本体の内側にある6枚羽に当たってる。 変形させた上でステーを下にもっていって、 プレートを少し上げると回避できそう。 そのまま点火してみましたが、赤火が増えたが臭いはない。 炎の左右への広がりが小さく上に伸びる。不十分。

 ステーを下にしてみましたが、今度はプレートが高すぎ? 真横から見てバーナー本体よりプレートが高い位置。 炎が割れる、バリバリと音が大きい、 空燃比が合ってないような、しかし赤火は激減。 やかん直置では臭ったので20mmかさ上げし、 そのまま加熱持続させたところ、15分台で沸騰、WLIに迫る火力。臭いはない。

 ドーム状に変形させるのは良い方向のようです。 プレートは低目の方が本来の炎に近いのですが、 高い方が赤火が減り火力も強いが、炎が左右に散る傾向。 赤火が出ないぎりぎりまで下げる方向で。 ステーを曲げるか、 プレートのドーム状変形量を調節して、 プレートを本体淵と同レベルまで下げたらどうか。

 (写真撮り忘れ)より手軽な方法からということで、 ステーを曲げてプレートをバーナー本体の淵と同じ高さの所まで下げてみました。 炎の左右方向はまだ広過ぎる感じでゴトクの最内側部分にもろに当たり赤熱する、 しかし炎の割れが減り赤火も少ないまま、いい方向のようでした。

 さらにステーを曲げて淵から1mm程下げてみました。 炎の左右方向の広がりが減り、ゴトク最内側部分にかかるか否かというところで、 ほぼオリジナル通り。炎の割れは前回と同程度かやや減ったぐらい。 トラスネジの頭とステーがプレートの下にあるので、 気流が乱れてうまく燃えないのー、かも。 もう少し下げたらどうなるか試してみますが、 この辺が落とし所かもしれません。やかん湯沸し16分台でした。

 プレートの高さの他に左右方向の位置決めも結構シビアです。 センターから少しでも外れると炎が偏り赤火交じりに。 固定方法は考案済みですがうまくいくかどうか。

 さらに下げて淵から2mm下。 プレートの位置は見た感じほぼオリジナル状態で、 燃え方もやや赤火まじりで似てます。 これより下はない。 ここか、若干上のほうがいいような気がします。 淵から1.5mmぐらい下辺りが落し所かも。

 Z軸方向は腕の曲げ伸ばしで比較的自由に調節固定出来るのですが、 XY方向の調節固定が難しい。上の写真の様に腕を真っ直ぐにしておけば 調節は容易ですが固定出来てないわけで。 腕を曲げて固定しても、ちょっとずれただけで炎が偏る。 中心のM4ボルトナットを緩めて再度組み立ててもまずずれるわけです。
 オリジナルは腕と淵の溝がタイトに作ってあってほぼ1点に決まる。 それでも120度ずつ回して3箇所試し、 一番均等に広がる所を探したりはしてました。 123R、マナスル121は固定されていて全く動かない。 ドラゴンフライはNOVAと同じ3箇所の溝方式。

ドラゴンフライのフレームスプレンダーはNOVAと互換性ないのでしょうか? >両機お持ちの方〜

モチヅキのHPみてたら…
DFフレームスプレンダー (19804) \453
orz まあこっちは1個66円だし。

 それはさておき、 理想は燃焼させながら調節固定出来る事。 妥協点はひっくり返しても落下しない程度にゆるく固定しておいて、 燃やす度につついて微調節でしょうか。
 ミリ単位で追い込み中。脚は曲げてゆるく固定されるように調節してます。

 2015.02.15 上の写真の3mmの所を2mmにすると、ほぼベストな状態と思われます。 左の写真の上がほぼ全開、下が中弱火ぐらいに絞ったところ。
 燃焼させた感じはオリジナルと遜色なく、 耐久性とコストはこちらが有利(なはず)。 とりあえず製作は報われてます。

 長期運用でプレートが変形しないか、せり上がって来ないか見守り中。

 2015.02.22 この状態で1週間使用しました。 朝2時間、夜2時間ぐらい暖房に使用し、1週間で灯油を5L強消費してます。 ちなみに燃費は330cc/2hぐらい。WLIが500cc/2hぐらい。 novaの燃費が良い訳ではなく、 WLIの最大火力が上(単位時間当たりに噴出す燃料が多い)という事です。 この程度の使用ではプレートの痩せ、歪みは全く検知できませんが、 プレートの上下方向の位置ズレは下に動くようで赤火が増え、 上の2mmの所が2.8mmぐらいになっていましたので、 1.5mmぐらいにして炎は元の状態に戻っています。 1.5〜2.5ぐらいの範囲で使えればと。 プレートの前後左右は傾けて地面にトントンする事で、 実用上問題ない程度に大雑把な位置修正は出来てます。 燃焼は非常に安定しています。

 NOVAのバーナープレートを消耗させたくないというのがあって、 ここの所湯沸しはWLIで行っていました。 それ以前にNOVA使用でやかんの底にタールや煤が着いていたのですが、 WLIで焼き切られて底は白くなってました。 つまりWLIではタールが付く付かない以前に、 付いていたタールすら焼き切ってしまうという。
 バーナープレート消耗問題がほぼ解決し、 最近再びNOVAとWLI用に作った20mmかさ上げゴトクアダプタで 沸かしているのですが、元通りの真っ黒。
 このゴトクアダプタがnova使用時はあまり熱変形しない事にも気付きまして、 燃料消費量的にWLIの方が3割ぐらい火力が上なんでしょうね。

 あとNOVAのニップルがきっちり締めても加熱冷却の繰り返しで緩みますよね。 締めて即緩めるとカキンという感じで緩むのに、 燃やしてから緩めるとほぼ抵抗もなくヌルッと回る。 そこで雌ネジの底に0.4mmのステンワイヤー(バイクのワイヤリング用)を リング状に仕込んでみました。 1巻き以上仕込むとニップルを底までねじ込めず、少し浮き、 バーナープレートとニップルの距離が近くなり、 燃焼状態が変わる(現在この辺を調節中なので、これはマズい)ので、 長さ調節してきっちり1巻きだけ。
 ワイヤーの先を少し内側に曲げニップルに当てるようにして ねじ込むと、最後の方で抵抗になっており今までと違う感触。 ワイヤーがないときと同様にニップルは底付きする。 これで緩むかどうか見守り中。
 ワイヤー太さ0.5、0.6あたりで最適解を探りたいところですが、 手持ちなし。

 2015.03.02 ちょっと高目に調節して1週間経過。 今の所炎は非常に安定して青いです。やかんの底は相変わらず黒いですが。
 ダイソーに0.55のステンレスと銅の針金がありました。 バーナープレートの部材を買い揃えた所とは別系のホームセンターに φ30 2.0tのワッシャー、低頭トラスネジがありました。いずれも未購入。
 何も乗せない時は上の写真のように多少赤火が混じるのですが、 やかんを乗せると左のように完全な青火になり、燃焼音も小さくなるのは 相変わらず。

 2015.03.04 燃料ラインに入れている ペーパータオルで作ったフィルタ を交換しました。 プレヒート時に噴出させる燃料の勢いがなくなってきたので。 前回いつ換えたのかは覚えてませんが、 フィルタはきちんと所定の場所に収まっていました。 ほじくり出してみるとアルミと思われる粉がびっしり。 写真の左がこれから入れる新品、右が取り出したものです。 ホースの方にも粉が詰まっていて穴が見通せないため、 自転車用の空気入れでエアを通しました。
 交換後は元通りの勢いで燃料が噴出すようになってます。
 このフィルタを使うようになっても、 しばらくはニップル内にゴミが入る事があったのですが、 最近はフィルタから先のゴミが出尽くしたのか、 全くゴミが入らなくなり、長期間炎は安定状態を保っています。 思い起こせば 今シーズンは一回もニップル内にゴミが入りませんでした。 ここのフィルタはほぼタダですし、年1回ぐらいは交換すべき。

 2015.03.07 自作バーナープレートで運用開始して3週と少し、 プレートをちょっと高めにして2週間経過。 その後プレートはほとんど歪まず未調節のまま。
 プレートを下げると赤火が増え、上げると炎が左右方向に 散りはするものの青火が増え、 いま一つ上げる場合のデメリットがわからなかったのですが、やっとわかりました。
 プレート高めで火力強め、やかんを乗せると一部炎がプレートから浮いて離れる (やかんを乗せなければ炎が浮く現象は見られないのですが)ほど。 その状態でやかんを加熱して15分ぐらい経過、 急に燃焼音が変わって赤火ドバドバになりました。WLIの赤火ドバドバ現象のような。 その時に炎が割れない程度に火力を絞ると直ちに青火に戻りました。 再び火力調節バルブを同程度開けてしばらくすると、やはり燃焼音が変わって赤火ドバドバ。
 火力強めで炎が割れ、炎がバーナー内側の羽から離れる為にニップル周りの温度が上がらず、 灯油の気化が不十分になるのでは。という事で今以上には上げられないようです。 使っていると下がっていくと思っていたのですが、そうでもないような。 ここの所上下方向には動かなくなっています。

 2015.03.15 自作バーナープレートで運用開始して4週と少し、 プレートをちょっと高めにして3週間経過。 バーナープレートを外して高さチェック、 若干下がっている部分があったので修正。 前後左右方向の遊びが増えるように、 プレートの脚を広げ、 中心のねじを緩めて脚の開度が120度になるように微調節。 燃焼中の前後左右のプレートの微調節は、 novaを置いた状態でゴトクの脚を指で軽く弾くと 正確にセンター出し可能な事に気付いたので。 遊びを減らしていってセンターで固定、ではなく、 ある程度自由に動く状態にしておいて、 その都度脚を弾いて調節する方が実用的かと。
 そろそろストーブシーズンも終りですね。

 2015.03.23 自作のバーナープレートを継続使用していますが、 1.5mm厚のワッシャーはまったく変形する様子がありません。 中心部のみで保持し、ほぼ自由に膨張収縮させている為と思われます。 車のワイパーの骨で作ったアームは当初は多少変形しましたが、 調節後はほとんど動かなくなっていますので、 アームが変形し難いバージョンを作る必要はなさそう。
 プレートの消耗、炎の変化を気にせず 長時間の暖房に使用出来るようになっています。

(燃料はすべて灯油です)


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